202010 ジャパロボ 11

渋谷かな

第1話 ジャパロボ11

「今日は全国ジャパロボ大会の東京予選ね。イリス、さとみ、がんばってね!」

 広瀬家ではお母さんの祐奈と娘の姉のイリス、妹のさとみが朝食を食べている。

「お母さん! 目玉焼きぐらいちゃんと作ってよ! 真っ黒焦げじゃない!」

「ごめんごめん。昔は明治天皇が料理を作ってくれていたのよね。アハッ!」

 明治天皇とは祐奈のジャパロボのAIロボットの名前である。

「まさか!? 私たちのお父さんって、明治天皇!?」

「いや。ロボットに精子はないよ。」

「さとみ! あんたからも何とかお母さんに言ってやりなさい!」

「zzz。」

 いつものようにさとみは寝ていた。

「こらー! 寝るな! 妹よ!」

「つい。お約束で。アハッ!」

 掴みはOK。

「お母さん!」

「何よ!? さとみ!?」

「お小遣いを300円にして下さい!」

「zzz。」

 祐奈はいきなり眠った。

「お母さん!? 寝て誤魔化さないでよ!? 狸寝入りってバレバレよ!」

「バレたか。アハッ!」

「似た者親子ですね。」

「そうだ! 令和ちゃんはロボットなんだから、令和ちゃんが朝食を作れば美味しい朝食が食べれるんだ!」

「あ、エネルギーが切れた。おやすみなさい・・・・・・zzz。」

「ロボットが眠気を覚えるな! マヨネーズを流し込むぞ!」

「ヒイイー!? それだけはご勘弁を!?」

「ワッハッハー!」

 和気藹々とした家族の朝食である。

「でもすごいわね。ジャパロボも日本全土でやるようになったのね。私の時は23区でしょ、次に1都7県、最後が東京都全土だったような。」

 祐奈お母さんは初代の全国ジャパロボ大会の優勝者である。

「そうですね。その祐奈さんの戦闘データを元に自衛隊のジャパロボ機は量産されたんですから。全世界を日本帝国が支配するのも当然です。」

「ありがとう。令和ちゃん。」

「お母さん。大会の邪魔をしないでね。」

 釘を刺すイリス。

「何を言ってるのよ。私は自衛官として予選を審査する側なんだから。」

「そういって去年、大正ロマンの騎士とか言って、変なジャパロボが乱入したわよね?」

「あれは正体不明のジャパロボよ!? おかげで多勢に無勢でいじめられているあなたを助けてくれたじゃない!?」

 優勝候補の祐奈の娘はライバルから一斉攻撃を受けていた。

「親バカですね。」

「私は、そんなお母さんが大好きだよ。」

 さとみはお母さんのことが大好きだ。

「さあ! イリス! さとみ! しっかり予選を突破して全国大会に行くのよ!」

「おお!」

 家族の団欒っていいな。

 つづく。

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