神に背く者

暗黒星雲

第1話 深夜の犯罪者

 深夜の繁華街。

 終電が無くなった頃は人通りも少なくなり、とても静かだ。


 私は今夜、この街で獲物を探している。


 何が引っ掛かるか、どんな間抜けが釣れるのか、期待に胸を震わせるこの一時がたまらなく愛しい。


 赤く点滅している信号を見ながら、横断歩道を渡る。

 時折、大型トラックが走り抜けるだけの閑散とした道路だったが、一台の黒いワゴン車が急ブレーキをかけて停車した。私の目の前、横断歩道の真ん中で。


「お姉さん。こんな時間に何してるの? 家まで送ろうか?」


 運転席に座っているチャラい男が声をかけてきた。そいつは黒縁メガネをかけていた。

 

 ふふふ。

 横断歩道上に車を止めて歩行者の邪魔をした。マナーが悪すぎる。

 これは美味しそうだ。


「ごめんなさい。家は直ぐ近くなの」


 私は黒いワゴン車を迂回しながら道路を横断した。カツカツとヒールの音を立てながら。

 助手席にはロン毛のイケメンが座っていた。眼鏡男とロン毛の視線が私の脚に突き刺さる。秋が深まった肌寒い空気の中、生脚を晒した甲斐があった。


「じゃあそこのファミレスでお茶でも飲もうよ。その恰好じゃ寒いでしょ」


 助手席から下りてきたロン毛が声をかけてきた。そして後部座席からも男が一人降りてきた。そいつは小太りで腹が出っ張っていた。ブサメンってやつだ。


「おごっちゃうからさ。いいでしょ」


 小太りが猫なで声で言い寄ってくる。

 嘘つきめ。

 お前の股間は既に膨らんでるじゃないか。


 くくく。


 私は思わず含み笑いをこぼしてしまった。


「何だてめえ。俺が何かしたってのか!」


 小太りは激高して迫ってくる。


「ごめんなさい。貴方があのコメディアンに似ていたから。ダチョウ……何だっけ?」

 

 その瞬間、小太りは顔を真っ赤にして私に抱きつき、私を抱え上げる。そしてロン毛が私の両脚を掴み、私はワゴン車の中へと無理やり連れ込まれた。


 そしてスライドドアが閉められワゴン車は急発進した。二列目と三列目のシートは既に倒されてフラットになっていた。

 結構広いベッドと化していた車内で、小太りは私にのしかかってきた。


「ダチョウ倶楽部が何だって? オラ! 馬鹿にするんじゃねえぞ!」


 ふふふ。

 そんな容姿では常に指摘されるだろうに、この男はそれが我慢ならないらしい。服の上から私の胸をまさぐり、首筋や頬を舐め回す。


「いやー。やめて! 誰か助けて!」


 悲鳴を上げた。

 こういう遊びは雰囲気が大事だ。せっかくレイプする気になっているのに、私が素直に股を開いたらその気も失せてしまうだろう。

 両脚をバタバタと振り回して、小太りの脚を蹴り、ロン毛の腹を蹴る。

 勿論、本気じゃない。

 か弱い女が必死に抵抗している様を演出しているだけ。


「痛てえじゃねえか。この女!」


 ロン毛が私の両脚を押さえる。

 そして、私の太ももを舐め回してくる。こいつ、見た目はそこそこモテそうなんだが、そんなに女に飢えていたのか。それとも、このシチュエーションに興奮しているのか。レイプじゃないと興奮しない馬鹿な男はそれなりに存在するようだから、そんな類の残念なやつなのだろう。


 そうこうしているうちに、私はミニスカートとショーツをずり降ろされ、上着は剥ぎ取られてシャツとブラをたくし上げられた。

 小太りは私の貧相な胸にしゃぶりつき、そしてピンク色のつぼみに吸い付いた。


「はあはあ。このこじんまりとしたオッパイがたまんねえ! 超絶上玉だ!」

 

 貧乳好みの小太りは私の胸に夢中だ。

 そしてロン毛は、私の陰毛に顔を擦りつけながら、性器の中へと指を入れてきた。


「いやだ。指入れないで。 いやー!」


 か弱い女が必死に抵抗している演出を忘れない。ジタバタと暴れる私の姿に、小太りとロン毛が興奮しまくっている様子が手に取るようにわかった。


 ふふふ。


 どんどん盛り上がるがいいさ。

 より強く興奮してくれた方が味わいが豊かになるから。


「まだ突っ込むなよ。突っ込むときは三人一緒だぜ」


 運転席の黒縁眼鏡が興奮気味に声をかけてきた。ロン毛と小太りがそれに応える。


「はあはあ。わかってる」

「我慢できねえ。どっか止めろ」


 ワゴン車は川沿いの道から河川敷の公園へと降り、橋の下に停車した。


 運転席から下りた黒縁眼鏡がスライドドアを開いて乗り込んで来た。小太りとロン毛は既にズボンのファスナーを開き、その猛り狂った一物を取り出していた。


 精気に溢れたそれを見つめ、私の心は喜びに打ち震える。

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