3-14:約束の日まで

その日の夜。

割れたサンルームの補修や、戦闘で荒れたサロンの片付けもあったが。それでも。

ささやかなパーティが催される。

襲撃こそあったものの、冒険者たちは【サリュからの頼み】のすべてを達成している。ほとんど、思い描いた通りのパーティが開催できるでしょう。

そわそわしながらも、冒険者たちに感謝を述べて彼なりにパーティを楽しむサリュと、はにかみながらも喜ぶリコリスが見られることだろう。


GM : ……で、このパーティを準備したのはあなた方です。どんなパーティになるかは、あなた方が知ってますよね?ということで……皆さん、それぞれ自分の思い描く最高のパーティの様子を描写してくださいますよね! わーい!!!!!

SGM : やったー!!!!!


リズ : え、いいんですか!

GM : いいんです!

ソレル : やったー!!

シエル : とんでもない無茶ぶり来たけど。

アル : ハメられました……。

SGM : なんやろなー。楽しみやなー。

アル : とりあえず、メインデッシュはコカトリスの丸焼きですね!


リズ : では私から。季節に合わせて毛糸を主体にしたモチーフで固めています。先日ライティア様と一緒につくった、木に毛糸を巻き付けたような幾何学的な木を窓辺にならべたり、天上から星の形をしたそれを吊るしたり。

ライティア : ライティアが「これわたくし作ったのよ」って勝手に誇らしげにしてます(たぶんリズさんが用意した分の方が多いです)

リズ : 球状に糸を固めたものとかも用意して、一際大きなそれに吊るしましょう。クリスマスツリーのように。

アル : ライティアさんすごい!


ソレル : 「わぁ……! 見てみてカルミアちゃん、かわいいデコレーションだよ!」

カルミア : 「きれー!!! ねえねえ、これどうやってつくっ……はっ」しらないひとだった!!!!話しかけちゃった。恥ずかしい。

リズ : その周りには燭台と蝋燭を。ガラス製のグラスがあればその中にも並べて、香油があるならばそれをお皿に垂らして糸をのせて簡易香油ランプにしたりとか。温室にローズマリーとかあればそういうのもかざりたいですね。

ソレル : おしゃれ~。

リズ : ではカルミアちゃんに「飾り付け手伝ってくれる?」とツリーに誘います。

カルミア : はわ……ってなりながら、おそるおそる飾ります。たぶんだんだん懐いていく。

ソレル : 「カルミアちゃん、この人はリズちゃん。私の友達だから、カルミアちゃんとも友達だよ」

カルミア : 「リズちゃ……」

リズ : 「なあに、カルミアちゃん」

カルミア : カードの構え。ともだちなので、あとでカード渡してお話しよ!の意思表示です。「あのあの、あの。なかよくしてくださいの」

リズ : じゃあ「?」って顔をして「うん、仲良くなりましょう」

カルミア : 「!」ぴょこぴょこ(喜び)


ソレル : 「ねーアル、ごはんそろそろ出来そうー?」

アル : 「もう少しかかりそうですー!」厨房から。

ソレル : 「それなら先にレクリエーションの時間にしたいとおもいまーす! わー!!」拍手。みんなも拍手して!!ってオーラを出します

シエル : 「おー!!」拍手

リズ : 「何するのかなー?」とカルミアちゃんと一緒の拍手。

リコリス : 「???」こっちも拍手。

ソレル : 「うん、というわけで、実はこのお屋敷の中とお庭の周りに、ちっちゃなプレゼントの箱がかくしてありまーす!」こんなのね、と掌に収まるサイズの箱がひょいと出てきます。

シエル : 「その箱合計何個隠してあるのー?」

ソレル : 「え、いっぱい!」10より先は覚えていない!

オーウェン : がんばったんだよまじでー(箱をつくった人)。

ソレル : 「中にはお菓子とか。かわいいおもちゃとか。ちょっとしたお小遣いとか。開けて嬉しいものが色々はいってます!」

カルミア : 「すごーい!!!!」

リズ : 「いっぱいだって!探しに行かなきゃね」とカルミアちゃんを煽っておきます。

カルミア : 小躍りしちゃいますね。

ソレル : 「一緒に探して交換するもよし! 一人でいっぱい見つけるもよし!」

シエル : 「箱の中身はリズも協力してたんだよね?」

リズ : 「ふふーんしました。この部屋とはまたちょっと趣向が違うから楽しみにしてください」

ソレル : 「ありがとね。それでは今から宝物探しをはじめまーす!」いえーい!

ライティア : 「…………いえー……」(小声)

リコリス : 「いえーい!!」(大声)

ソレル : 「やっていきまっしょー!」


アル : アルくんちゃんですが、耳がぴょこぴょこしてます。気になる……。

サリュ : 「……どうぞアル様、いってあげてください。きっと、リコリス様もお待ちです。あとは、仕上げだけですから」

アル : 「!」ぴこんとしっぽが動く「……いいんですか……?」

サリュ : 「はい。皆さまは、お客様ですから。どうぞ、楽しんでいってくださいね」

アル : 「……ありがとうございます! 待ってください、ぼくも参加しますー!」と厨房をばたばたと出ていきます!

ソレル : 「お、アルもやってけー!」

アル : 「はーい!」

GM : かわいいが詰まってる。

シエル : 笑顔が眩しい。

リズ : はー尊い。


ソレル : 箱からは、木の実のクッキーとか木彫りの人形とか10Gとかが出てきます。

リズ : レザーのアクセサリーとかビーズの指輪とか刺繍糸の組紐飾りとかもありますよ。

カルミア : くっきー!!おにんぎょう!!!

シエル : 10Gを全力で探します。なんなら他のものと交換しまくる。

アル : シエルさん……。

GM : ぶれないなぁ。

ソレル : ぶれない。


ソレル : 「あ、これライティアに似合うんじゃない? どう?」と刺繍糸の組紐飾りを本人に当ててみたり

ライティア : 「ちょ、ちょっと、なにするんですの! ……まあ、悪くはないですけど?」

リコリス : 「似合うと思うよー?」

ライティア : 「…………」ソレルさんから受け取ってつけます。ふん!


ソレル : 「リズもほんとありがとね。私だけじゃどうしてもレパートリーがなくてさ」

リズ : 「いえいえ、久々に好きなだけ作れて楽しかったです。ソレルさんのクッキーもとても美味しいですね」

ソレル : 「ほんと!? そう言ってもらえると嬉しいよ~。森のベリーとかおいしいからさ、いいかなと思って」

リズ : 「ええ、酸味と甘みのバランスが完璧です」

ソレル : 「やったね! カルミアちゃんも食べなよー?」

カルミア : 「んむんむ」(もしゃもしゃ)(しあわせそう)


GM : では、そこにリコリスが突っ込んできます。

リコリス : 「ソレル、リズ、二人ともどうぞ。僕、髪短いからこんなにつけられないし、似合うと思うから!」といって、ソレルさんに緑色の組み紐の髪飾り、リズさんに青色の編紐の髪飾りを差し出してきます。景品ね。ちなみにシエルさんにはすべての10Gを差し出している(一同笑)。

ソレル : 「あ、ありがとう! 綺麗な色だねっ」

アル : できる男ですね……。

リコリス : 「アルも! こっちのチョーカーとかどうかな。首元、付けると華やかになってかわいいと思うんだよね」アルさんの方に走ってった。

アル : 「わわっ、ありがとうございます!」


オーウェン : 「おーい、食堂の方でサリュが呼んでたぞ。食事出来たってさ!」

ソレル : 「やったー! お腹ペコペコー!」

アル : 「あっ!」サリュさん用に景品を探しておきます。ブレスレットでいいですかね。

ハンサ : ハンサも邪魔にならないところでご飯を食べてます。

GM : 夜ですし、サロンの窓開け放って庭から登場してもらいましょうか。

ハンサ : 嬉しげ。

ソレル : 「今日もいっぱい頑張ったからね」

オーウェン : 「……やっぱお前、その馬めちゃくちゃ大事にしてるよな」

ソレル : 「え、うん。家族だし」

オーウェン : 「うんうん、よしよし。俺の目は間違ってなかった」

ソレル : 「どういうこと??」

オーウェン : 「後でのお楽しみ、ってやつな!」

ソレル : 「……? よくわかんないけど、ありがとう」


SGM : では、どやどやと食堂に料理が運ばれてきます。


運ばれてきたのは、見た目も楽しい料理の数々だ。

鮭とオリーブのカルパッチョ。

ミニトマトのカプレーゼ。

キノコの一口ピザ。

魚介の生春巻き。

茄子の入ったミートパイ。

山盛りチキンナゲット。

おっきなコカトリスの丸焼き。

色とりどりのスティックケーキ。

カクテルグラスに盛ったフルーツジュレ。

そして、クソデカホールケーキ。


サリュ : 「ジュースと、それとシャンパンもございますからね!」

リズ : 「すっごいですね!御馳走だ!」

ソレル : クソデカホールケーキに林檎の飾り切りで彼岸花を作ってあります。

リズ : 「繊細ですね……。本当にリンゴですかこれ」

サリュ : 「皆さまに調達や調理を手伝って頂いたおかげです!」

リコリス : 「すごい……」すごすぎて語彙失っちゃった。

ソレル : 「豪華なコースになってる!!」


アル : 「ぼくも手伝ってましたけど、こんなに豪華になるなんて……すごいです……」

リズ : 「はああああんご主人様の手料理とかどれだけ体重が増えようともすべて食べますともうううう」

オーウェン : 「おおおおお」(隣にいたリズの様子がおかしくなったのでビビった)

アル : 「リズさんリズさん、食べ過ぎてお腹壊さないようにしてくださいね……?」

シエル : 「リズさん、基本的にすごく常識人で頼りになるけど、アルちゃん絡むとたまにおかしくなるよね……」

リズ : 「大丈夫です。タッパーに入れて一週間は食べ続ける所存ですから」(キリッ)

カルミア : 「一週間御馳走かぁ……それもいいなぁ……」

サリュ : 「温かいうちにお召し上がりくださいねー……」


ソレル : 一口ピザを囓る。「あ、チーズの味もしっかりしてるし、キノコの香りと風味がきいてて美味しい! 一口なのにしっかり満足感があるよ」

シエル : 「リコリスもコカトリス肉つついてないで早く食べてみよ!?肉がでかーーーーい、説明不要!」

リコリス : 「こ、こんなにいっぱい食事があるの見たことなくて圧巻でさぁ……」

ソレル : 「ミニトマトのカプレーゼもトマトの果肉感とチーズのさっぱりしたのがベストマッチ!って感じだしー」

リコリス : 「シエル、どうしよう。これ、戦略立ててかないと全部食べ切れないぞ」

サリュ : 「リコリス様には、ケーキのネームプレートも差し上げますねー」切り分けながら。

シエル : 「戦略とか練ってないで、食べたいものをひたすら頬張るしかないよリコリス!ほら、このミートパイも肉厚で絶品だ!これは……茄子も入っているのか?」

リズ : 「こちらはライスペーパーですか。珍しいですね。魚介を合わせる食べ物・・・この赤いソースも甘辛でいいですね」

ソレル : 「茄子のミートパイはソースが挽き肉と柔らかくなった茄子にしっかり絡んでて濃厚だし、パイもサクサク!」

GM : どうしよう、深夜にするんじゃなかったな。おなかすいてきた。




アル : サリュさんに、こっそりブレスレットを渡したいです白と青の組紐ブレスレッドです。

サリュ : 「これは……?」

アル : 「サリュさんに似合うと思って……どうですか?」ちょっと不安げ。

サリュ : 「! ……それは、その。なんというか。……宜しいのですか?私などに」困惑。

アル : 「サリュさんだから、いいんですよ」

サリュ : 「……!」そわそわ。

アル : 「えっと、受け取ってもらえますか……?」

サリュ : 「で、では。ちょ、頂戴します……?」おずおずと、左手を差し出します。

アル : じゃあ巻いてあげます。その時ちらりと見えた左腕には、お揃いのブレスレッドがあるんです。


サリュ : 「おおー……」しげしげ「そ、その。なんとお礼申し上げたらよいか……」

アル : 「大丈夫です。ぼくがやりたくてやったことですから」


サリュ : 「……有難うございます」

SGM : サリュはぎゅっ、と左手首のブレスレットを右手で包み込みます。すごく、大切そうに。

サリュ : 「……この命続く限り、大切に致します」

アル : 「ちょっと、大げさですよサリュさん……!」おろおろ

サリュ : 「いえ、大げさなどでは、ありませんとも。……ええ」


そうして、夜は賑やかに更けていく。

……その片隅で、オーウェンは冒険者たちをにこにこ眺めながら。食堂の額縁に一枚の絵を掛けた。

オーウェン : 「なんか、わざわざ声かけて邪魔すんのも悪しな。ま、誰か気づくだろ! ……よかったな」


-絵画-

https://drive.google.com/file/d/1CFfEsQ_6Hf8gLn4mKnx8PbGEPx7RV4l7/view?usp=sharing


絵の中には、食堂でお互いに笑い合っている6人と一匹の姿。

……外は月夜。

星々の合間に、白い雪が、ちらほらと舞い始めている―――。




そうして。

約束の日が、訪れる。

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