vs 夢の中、夜の街

https://kakuyomu.jp/works/1177354054934829188

作:春嵐様


静かな……おそらく静かであろう夜の風景と、車内での会話の雰囲気と相まってとてもノスタルジックな気持ちにさせてくれます。

“わたし”が見た風景がどことなく大都会からは一歩離れた場所を……例えば、地方の大き目の都市を想起させるからかもしれません。もし大都会なら、駅前にまずビルがあって、大手の商業ビルに押されて商店街なんて潰れてしまうことが多くて、夜中でも『車の走る静かな音』が聞えてくるほど静かになんかならなくって、って印象があるので。でもそれがいいんです。この物語には大都会よりも深夜には眠る街の方が似合っています。


それはそうと、“遠くで静かに走っていた車”はもしかして二人のいる車なのでは?そうだとすればこれは単純な夢ではなく一種の幽体離脱、ほんの一瞬の死の経験だったのでは?……と、穿った見方をついしてしまいました。

『人生の価値は、死ぬ前にやり残したことの量で決まる』なんて嘘かもしれないし、嘘とまでいかなくても個人差あるかもしれない。私は死んだことないんで分かりませんが、それはこんなこと言う人だってそのはずですね。意外と、全部忘れてふわふわ漂ってじんわり溶け消えていくのかもしれません。

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