音楽について


 かのルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは音楽こそ芸術の頂点だと言いました。


 私はこの言葉に全く異論がありません。詩や小説、映画などは言葉を使う過程に於いて万人の心を捉えるというところで、言語の壁にぶつかるから、絵画や彫刻や音楽に比べるとハンデがあると言ってよいと思います。



 絵画と彫刻と音楽または演劇・舞踊等は万人の感性に直接訴えることができるから同列かというとどうでしょうか? 


 例えば絵画や彫刻に一瞬で人を泣かせる力があるでしょうか。絵画や彫刻(造形芸術)にはそれを理解する側に感受性が求められると思います。


 芸術的な感性がない者にはなかなかそれに深く感動することが出来ないのではないでしょうか。



 その点音楽にはそういう気負いというか準備の必要がありません。


 誰でもが、少なくてもそれが嫌いな人を除いて耳が聞こえる人であれば大多数の人が感動することができます。


 感動とは心が動くという事であり、音楽には人の心を動かす力があります。そういう通俗的な観点に於いて音楽(音響芸術)こそが芸術の頂点だと私は思います。


 


 音楽とはなんだろう? こう問うと意外に答えが見つかりません。


 音の変化(音階、音質、音の強弱、音の有と無、遅い、早い)この変化に人は心が動かされるのではないだろうかと私は推測するのですが明確な答えではありません。




 またそういう風に考えると音楽の魅力に水を差す結果になりかねません。やはり音楽は人間特有の感性の所産なのだと思います。




 好きな音楽を聴く瞬間の心地よさは他に類を見ないほど素晴らしいものです。


 あの孔子様だって音楽が大好きだったと聞きます。




 私的な事で恐縮ですが、私には中学生のころ一時家に引きこもった時期がありました。その時私は家でビートルズのレットイットビーをレコードが擦り切れるほど聴いた覚えがあります。


 あの時の私の惨めな気持ちを幾分でも慰めてくれたのが音楽でした。


 また、一去年体調を壊して入院を余儀なくされた時にも音楽が私の心を癒してくれました。


 そして今現在も、いや死ぬまで私は音楽に魅入られて生きていくのだと思います。




 勿論、これを書いている時だってBGMが流れています。




 本当にありがとう。


 私は少し変かもしれないけれど、音楽にお礼を言わずにはいられません。

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