エッセイのようなもの

松長良樹

真実について

 

 真実というものは人を絶対的に傷つける。


 真実とは太陽光線のようにまぶしくて直視できない。




 これは中世の格言みたいなものですが、真実の核心に触れていると思います。



 読者が、いや私でもいいのですが自分の欠点をズバリと突かれたらどんな気持ちになるでしょうか? きっと不快に感じるに違いないと思います。


 それが真実から遠ければ笑っていられるかもしれないのですが、真実に近いほど不快感は増すのです。自分でも薄々感じている事だったりしますから。




 パスカルは人間には誰にも自己愛があり、その自己愛はたとえ欠点だらけの自分であってもとても強いものだと述べています。


 そして自分の欠点を指摘されたりしたら、表面的には認めても、心の中で密かに恨みを抱くものだとも言っています。




 このことを踏まえると現実生活の役に立つかと思います。




 会社であれば上司の間違いは指摘してはいけないでしょうし、家庭であれば妻の料理をまずいと言ってはいけない。


 というか日本人はこの辺のところは気遣いという形で心得ているのではないでしょうか? 他の国はどうなのかはよく分かりません。まあ気遣いは万国共通でしょうが。




 しかし間違いを指摘しないのでは間違いは治らないでしょうし、その辺のさじ加減がとても難しいのだと思います。


 また、ネットの炎上などは真実を露呈した結果であるような気もします。




 真実を直視する勇気を持ちたいなんて思ってもなかなかそうできない自分がいます。




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