パリー・ホッタと賢者の石

武者走走九郎or大橋むつお

第1話 のどかな住宅街の昼下がり


パリー・ホッタと賢者の石

ゼロからの出発


大橋むつお






時     ある日

所     とある住宅街

登場人物……女2(パリーを男にかえても可)  


      パリー・ホッタ 魔女学校の女生徒

      とりあえずコギャル風の少女




 のどかな住宅街の昼下がり。小鳥のさえずり。パリーがメモをたよりに家をさがしている。パリーは、魔法学校の制服を着ている。ややあって、下手から、キャリーバッグひきながら少女がやってくる。茶髪にピアスと厚化粧という三点セットの首の下は、超ミニのセーラー服の上下に膝丈のジャージと薄汚れのルーズソックスという一昔前のコギャルの出で立ち。 

 


パリー: あのう……(よく姿を見ずに声をかけてしまった後悔が声をつまらせる)

少女: なに?

パリー: いえ……

少女: ふん(鼻をならして行こうとする)

パリー: いえ、あの……

少女: 用があんならさっさと言えよ。こっちは魔法学校の生徒みたいにヒマじゃねえんだからよ。

パリー: あの……イマイチ先生のお宅知らないかしら?

少女: イマイチ……?

パリー: ええ、あの、魔法学校のイマイチ先生……

少女:  イマイチねえ…………ここだよ。

パリー: ありがとう!

少女: 留守だよ。

パリー: え……?

少女: 先生は留守だ。

パリー: どうして?

少女: 留守だから留守……

パリー: (無視して、呼び鈴を押しに行こうとする)

少女: 留守だって言ってっだろ!

パリー: いらっしゃるかもしれないわ。ものしずかな先生だから、留守のようにみえてるだけで……

少女: おめえなア……

パリー: とっても大事な用事で先生をたずねてきたの、留守ですよって言われて帰るわけにはいかないの!

少女: あのなア……

パリー: (何度も呼び鈴を鳴らす)先生! イマイチ先生! 二年B組のパリーです! 大事な相談があってうかがいました! 先生! イマイチ先生!…………先生……ハァー(ため息)

少女: だから留守だって言っただろう……

パリー: どうして留守って言いきれるのよ?

少女: あ、あたし……イマイチ先生の娘だもん。

パリー: え……!?

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