第97話 紅蓮の花と機械神の侵略

 虚空の音が過ぎ去る瞬間、一人一人、人が減っていく。


 俺は決断をする。


「みんなは自分一人の時間を大切にしてくれ。だからついてくるなこれは命令だ」


「拓郎さんどうして……それじゃああの機械の群生を倒すのは……倒すのは拓郎さん一人になってしまう……」


「拓郎……わかったにゃトラネはおとなしく家に帰るにゃあ」


「クロンはお手伝いできないのでしょうか?」


「拓郎は自分勝手だ!! 私の力を信用できないのか!?」


 リスティが憤怒の形相で鬼のように怒る。


 みなは勇敢にも俺の決意を聞き入れてくれた。


 蒼威ちゃんと想美もリスティもトラネもクロンもみんなは俺の命令を聞いてくれた。


 思いを知ってみんなを安全な場所に避難させることにした。


 もっとも安全な場所は堕落王の空間だろう。


 ここなら外部の世界が壊れても俺が死なない限り堕落王の空間は存在し得る。


 もっとも俺が死んでしまえば元の世界に戻されてしまうが……


 死ぬ気なんてさらさら無いが……それでもさらに保険をかけておきたかった。


 俺はクリシュナ様を呼び出した。


 神様のいる空間になら流石に同格の神は手出しできないはずと思った。


 だがさらに強力な結界をはれば完全に手を出せない。


 この前の場所は正確には神の領域ではなかった。


 だから黒いキューブが入ってきたのだが、神以外が入ることができない上に俺の施した結界を念入りにかけた結界をさらに超越させた超結界をクリシュナ様のいる場所にかけた。



「しかし増宮拓郎……おぬしはなかなかの自信家のようだな…………自分の結界を絶対的自信をよせているとは……」


「これぐらいしかやりようがないからな」


「本当におぬしが行くのか?」


「クリシュナ様は神様だから今回は手伝えないんですよね?」


「そうだ……私は人間の世界には介入できない……力を貸すことはできるが直接神の群生とはいえ……手を出すことは許されないからな」


「わかりました。それじゃあ行ってきます」



 俺は孤灯の火種を一掴みして真っ赤な誓いを立てて、この当てにならない戦いに蹴りをつけるために踏みしめて、頂上を目指した。




 殆どの機械を倒していく過程で、敵の能力値とかを解析していく。


 だがそれほど重要な行動記録は取れなかった。


 敵の機械は単純な行動をとるだけでそれほど強敵じゃない。


 ただ光線を一度でも浴びると、石のように固まって動けなくなるようだ。


 だから回避したり時間を止めたりして光線をとにかく受けないことを優先した。


 予断を許さない現状だがそこまで脅威を感じなかった。


 俺は敵の親玉を探すために広域を探索した。



 

 この街を守るのは誰だ……


 この街を破壊されていく中、誰がこの街を……いややめておこう。


 みんなが石にされていくのを黙ってみることしかできないのは嫌だった。


 紅蓮の拳は一人刈宮の街を一人謎の機械を破壊していった。


 最初は1回殴るだけで破壊は出来なかった。


 だが極限状態に高められた紅蓮の拳の腕力は次第に上昇していって、機械の破壊を容易にできるようになっていった。


 紅蓮の拳は最初は自分の右手にこれほどの力はなかった。


 最近はソロで日本橋ダンジョンに潜ることが多くなったが、それでも右手の紅蓮の拳に全力を投資していった。


 敵は殴り殺すしかなかった。


 余計なスキルは取らずに、拳術のレベルと自身の紅蓮の拳のスキルレベルを上げ続けた。


 右手に火炎を宿せるそれだけのスキル。


 殴る威力がほんの少し上がるという効果もあったが、それでも敵を倒せるか疑問だった。



 今も現れた。赤いビー玉みたいな大きさの機械に青いカステラみたいな機械だ。


 謎の石化光線を躱す。紅蓮の拳はそのまま直線的に近づく。だが右手に光線がかする。


 紅蓮の拳はそれでも進む。赤いビー玉の機械を殴り飛ばす。青いカステラを粉砕する。



 ああ自分はここで脱落(リタイア)なのかと実感した。


 体が石のように固まるのが感じられる。


 でもいいかここまで戦ったんだからな。


 




 ………………嫌っだ!!!


 こんなところで終われるのか??


 俺はこんなところで終わりたくない。


 こんなもの気合と根性でなんとでもなる!!!


 紅蓮の拳は気合と根性で石化を止めようとした。


 なんとかなんとか石化は半分で済んだ。


 左半身の少しだけで済んだ。



 はぁはぁ……なんとかなったか…………


 

 

 紅蓮の拳は何とか進んだ。進んだ。進みまくった。進み続けた。


 しかし力尽きた。しかしそれでも右手と左手には諦めという言葉はなかった。


 この世界の命運を握っていると言っても過言ではないほど世界はどん底に落ちていた。



 

 食事の準備をし始めていた家族の姿。テレビを見ようとしていたひとり暮らしの男性。公園の遊具で遊んでいた子供たち。買い物をしていた人たち。会社に行こうとしていた人たち。


 それらの人たちの時が止まっている。


 時の歯車が止まっているかの如く動きが停止している。


 

 稲荷仮面は時の歯車を止めることができる機械の神を考察していた。


 デウス・エクス・マキナか……


 ビルの頂上でそれが鎮座していた。



 その時紅蓮の拳のところに謎のダークエルフの少女が一人来て、紅蓮の拳に魔法をかけた。


「動いておじちゃん……」


「君は……いったい…………?」




 紅蓮の拳はなんとか動き出した。


 そのダークエルフの少女エナとともにビルのところにきた。



 そこには稲荷仮面がいた。



 稲荷仮面は驚いた。ここに来ることができる人間がまだいたのかと。



 デウスエクスマキナは少女のようだった。


 機械の少女だったようだ。


「ハッハッハハハハハハハハッ………………なんだ君たちは無様だな!! 本当に無様だよ少年たち!! この世界の人間たちはちっぽけで弱い雑種だからね……!! だから僕が壊すんだよ!! ただね! 君たちみたいな不確定分子(イレギュラー)を解剖して研究することが僕の楽しみというわけだ!! けどね……!!」



 デウスエクスマキナがそのまま稲荷仮面に突撃してきた。空白の残響。無数の剣と槍と盾と小剣と斧と銃などの様々な武器を召喚した。


 機械の群生をすべてを凌駕する。


 稲荷仮面は今まで収集してきた武器たちを解放した。


 そして【仮初の命吹(ラピスブロイフ)】を使用した。


 今まで集めた武器達約十万三千五百本ほど。


 全ての武器に改造を施して自分好みに磨いた。


 弱い武器でも俺はすべて大事にしてきた。


 だから信頼している。


 デウスエクスマキナの機械と互角に渡り合えるために俺は全ての魔力を武器達に譲り宿らせた。


「マスターありがとう!」


「マスター私を呼んでくれてありがとう!」


「マスター!! あいつを倒せばいいのか!?」


「マスター!! いっちょっやってやろうじゃん!!」


 いくぞ!! お前ら!!!


 稲荷仮面はデウスエクスマキナに容赦なく攻めた。


 マキナは笑っていた。


「面白いぞ、少年いやイレギュラーである増宮拓郎だな。こんなことで僕を楽しませてくれるなんて、絶唱したい!! 震破したい!! 歯車をぐしゃぐしゃにこねくり回したいぞ……!!! 拓郎……お前はなんて魅力的なんだ……食い殺してしまいそうだ。だから倒したくないね、絶対に。近づきたくないよ!!!」「だからお前たちのセカイを潰すと命じたんだ僕はあなたたちを消すために」



 マキナは総ての時空の神を恨んでいた。

























 そのことは今日本日2022年/08/24に書くことができるといいな。

 今すぐに書こう。

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