第85話 東京自衛隊戦線

「なんだお前らは……中から魔力を感じるぞ……一二三四伍……五人いるな」


「あんたこそ何者よ!!」


 アリスは寒気を感じた。


 この謎の魔法使いみたいな謎の男から不可思議な魔力の波動を感じる。


 巨大なだが静かに恐ろしいほどに洗練された魔力の渦を感じた。


 しかも気持ち悪いほどに癖の悪い薄気味悪い魔力だ。


「我の魔導禄から……まさか見えないとは……なんだ貴様らは……はて謎だな興味が少し沸いたぞ……引きずり出してやる!!」



「来る!?」


 アリスは操縦かんを握る。


 高速で旋回して一気に加速する。


 だがその加速についてくる謎の人物。


「遅いな……この程度の加速でこの私から逃げようとするなんてな……」


「もっと速くもっと……!!」


 時速500キロぐらいのスピードが出ていたがそれでもこの魔法使い風の男を振り切れない。


 しかたないから魔法で攻撃した。


 それも効かない。


 障壁を張られた。


 つまり相手も魔法を使えるようだ。


 ならば逃げるしかない。


 でも追いつかれそう。



「そうだずらさっきのタマゴ魔人からもらった笛を吹くずら」


「その手があったわね」


 すぐさま笛を吹いた。


 そしてどこからともなくタマゴ魔人が現れた。空中に。


「呼んでくれてありがとうでございます。 さああの敵を倒せばいいのだな!?」


「はいはいお願いします」


 なぜか脳内で返事をしたら返された。


「ではやってあげましょう」


「なんだ貴様……」


 そこからは知らない。


 とりあえず振り切れたから逃げた。


 タマゴ魔人さんにお願いしたのでなんとか逃げ切れた。


 そして東京についた。




 そこでは酷い有様だった。


 モンスターが巨大なモンスターが暴れていた。



 でかいドラゴンのような恐竜が暴れていた。


 自衛隊らしき者たちが、戦っている。


 戦車とロケットランチャーとか他にも自衛隊員の探索者が剣を持ち戦っている。


 

 アリス達はあまりにも緊迫した戦況だった。


 助ける義理もないだがせっかく来た東京がこんなありさまじゃ飯も食えない。


 アリス達はこの戦闘に参加することにした。






「こちら村正東樹一等兵……応答お願いします」


 東樹は戦線に出ていた。


 任務は主に負傷者の治療とモンスターの殲滅。


 東樹は単身戦場に来ていた。


 ルミル治療隊と一緒に負傷者を治療している。


 だから東樹はこの戦場で一人駆け抜けている。


 

 一人負傷者を発見。


 8歳ぐらいの女の子だ。


 すぐに確保して保護だ。


 東樹が近づこうとする。


 だが阿修羅のような鬼人がいた。


「愚碁ガガガガガガがっがが……」


「クソッ!!」


 この子を守りながらやれるのか!?


 東樹は自信を持てなかった自分の力の刃の綻びが飛んで行ってこの子を殺してしまうのではないかと。



「東樹さんお手を貸しましょうか?」


「君は……?」


「ハーフエルフのレウナです。この前も助けましたよねあの時とキャラは違いますが……」


 そういえば助けてくれたことがあったような……レウナちゃんか俺より少し年下だな。


 ずっとつけていたのか後ろにいたのに気付かなかったな。


「来ます……!!」


 レウナが呼びかけると、鬼人が右手を振り上げて岩を投函してきた。


 その後、回転しつつ殴ってきた。


 東樹は影鋼之紫炎を身に纏い、影を何重にも展開していた。


 レウナは矢に魔法をかけていた。


 光の魔法を注入して、そのまま敵を射る。


 速度が半端なく上がる。


 鬼人を倒すのは造作なかった。



 嵐はすんだのか……



 とりあえず少女を避難所に連れて行った。





 レウナが普通についてきたがまあいいだろう。


 そして少し休憩をとっていたが、異変は起きた。



 牧田から無線が入った。


 西の方で魔王級のモンスターとベリアルクラスのモンスターが蹂躙を行っていると。



 すぐに現場に急行した。





 その場の光景には嗚咽がした。


 無残な死体が散らばっていた。


 そこにはどう見ても魔王クラスのモンスターと

 女性型ベリアルモンスターがいた。


「あら魔王様? なんだが強そうな少しですけどが来ましたよ……」


「ふむ、なんだこの強大なオーラは我の実力を試すためにというか歯ごたえがなかった……かなり期待できそうだな」



「なんだと……?」


 東樹は内心仲間たちの無残なやられ方をみて悲観していたが相手の言葉を聞いて冷静にいられなかった。


 こいつは腕試しかなんかのつもりで俺の仲間を殺したのか……?


 モンスターの内心など理解するつもりはないが、それでも信じられない。


 理解などしたくない。


 殺す。


 東樹は憤怒した。


 魔王クラスのモンスターは残忍な殺し屋だ。


 女形ベリアルも相当な実力だ。


 東樹は咆哮した。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」


【廃界我異羅魔聶ノ暗黒殲滅形態に入ります】


「東樹さんダメです!!!」


 レウナの悲痛な叫びが木霊する。


「面白い……無様に殺してやるよ」


「魔王様素晴らしいです!!」






 東樹は影を暗黒の力に変換させて闇を刺すように刀を作り出す。


 魔王バーミュラは炎殺波動を展開して相殺した。


 東樹は修羅だ。


 幹部のべリースは支援魔法をバーミュラにかけた。



 東樹は地面に暗黒の影を触手のように生えさす。


 そのまま不動にぶつけて、相手を縛り付ける。


 だが魔王バーミュラはそれを気合で防ぐ。


 水撃をぶつける。


 東樹は仰け反る。


 魔王バーミュラは東樹を捕らえる。


 首根っこを掴む。


 そのまま殺そうとする。




 レウナがナイフを構えて魔王バーミュラに突進した。


「東樹さんから手を放せええええええええええ!!!!!」


「愚かだ……」


 レウナは何とか必死だった。


 弓すらも捨てて捨て身の一撃だった。


 レウナは致命傷を受けた。


 右半身が砕けるように血が出ている。



「あら~~~なんですかこの娘はーーーー??? 魔王様に一撃喰らわせようなんて1億年早いのよアッハハハハハ!!!!!」


 べリースは笑顔でレウナを見下す。


 ふざけてる様にバーミュラもよせと言う。


 東樹は自分を失っていた。


 涙が落ちる東樹の眼から。


 地面から音がした涙が落ちる音が。


 大粒の涙が落ちた。


 東樹はこれ以上何もできないそんな予感がした。


 このまま無様に殺されるのかと。


 死ぬのかとレウナも助けられなかった。


 答えが出なかった。


 魔王バーミュラが東樹に止めを刺そうとしたところだった。









「なんて無様な力なの……これではあなたの新の実力が出てないわね」


「!?」


 魔王バーミュラが驚くここには少女などいなかった。


 だがそこに突然少女がいた。


 一瞬で少女が存在したのだ。


 バーミュラとべリースが一瞬で吹き飛ばされる。


 魔力の波動だけで吹き飛ばしたのだ。




「誰だ貴様は!!」


「私?」


 金髪の少女が答える。


「私は金木犀の魔女王アリスよあなたたちの墓所にそう刻んであげるわよ」

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