第60話 気晴らしと山羊魔族

 アリスたちは長旅からたまにのことだから都会によった。

 新都、大阪難波。

 魔の街と呼ばれている。

 昼は普通の街だが、夜は魔界とかす。

 

 7月19日。

 アリスたちはダンジョンが解放されたことをニュースで知る。

 古新聞を手にして、一人黄昏る。


 私はダンジョン探索者の資格を取ってない。

 いや取れないか。

 資格取得年齢は15歳からだから取ることはできない。

 いや待てよ、年齢を誤魔化せれば日本橋ダンジョンに入ることは出来るかもしれない。

 まずは自分に幻覚魔法をかける。

 これにより自身の見た目をごまかす。

 アリスの見た目が17、18歳ぐらいになる。

 背が伸びて170センチぐらいになる。

 髪はさらに伸びて腰まである。

 顔つきはそれでも少女のあどけなさは残るが大人っぽさもある。

 

「おおっアリス様見違えるようですな」


「アリス様かっこいいだ」


「そうっ? いつもの方がいいんじゃないの?」


「それよりこれはどう?」


 ロウガとオルクがアリスの手を凝視する。

 アリスは探索者証を手に召喚した。

 

 完璧の偽造だ。

 名前は有栖川栞里(ありすがわしおり)もちろん偽名だ。

 アリスの本名は皇アリス(すめらぎ)だ。

 顔写真も現在の幻覚魔法による見た目の物になっている。


 なお現在ロウガもオルクも人間に化けている。

 ロウガは見た目30歳ぐらいの男で、オルクは20代ぐらいの男に。

 

 ロウガとオルクの探索者証も偽造した。

 これで三人は日本橋ダンジョンに入れる。

 だが今はたまにのホテルだ。

 この長旅で贅沢が出来なかった。

 毎日オルクの腕を切り離して食べてたり。

 私の能力で出したおにぎりとかカップラーメンを食べたりとくだらない食事だから。

 だがオルクの腕はかなり美味しくて栄養も抜群だった。

 なのか私の身長がここ一カ月ぐらいで伸びたと思う。

 ビジネスホテルを探す。

 なお金は出した。

 だが3分で3000円しか出せないことがわかった。

 だがなんとか30分で3万円出してホテルに泊れた。

 1泊8000円ぐらいのホテルなのでなんとかなった。

 だが紙幣を出すのはなかなか魔力を使うようだ。

 私の魔力残量がまあまあ減っていた。

 

 試に貴金属を出そうとしたがこれも魔力効率が最悪のようだ。

 だが、金ぐらいなら出せる。

 グラム5322円だからなかなか高く売れそうだ。

 50グラム金を出せたから25万円ぐらい手に入る。


 だが魔力が半分ぐらい減った。

 でも直ぐに回復するようにホテルで休もう。

 ホテルに直行すると、今はお昼の1時ぐらいだ。

 ご飯でも食べに行こうと提案する。

 残お金6000円ぐらい。

 さらにホテルで4000円ぐらい出して1万円にする。

 

 牛丼屋に入る。

 仲野屋という牛丼屋だ。

 ここで牛丼に豚汁をつけた。

 ロウガはカレーうどんにしたようだ。

 オルクは親子丼にしたようだ。

 

 ごはんを食べたら会計を済まして、店を出る。


 さて、観光でもするか。

 日本橋に行って、ダンジョンに入る。

 観光とはいったい……

 その現地のダンジョンを調べればどのような産業を行っているかわかる……はず。

 

 ダンジョン係り員に探索者証を見せて華麗にゲートを通る。

 中に入ると特に変わった様子はない。


 普通に入って進んでいく。


 4時間ぐらいで40階層まで到達した。

 特に強い敵はいなかった。

 さまざまな素材を手に入れた。

 これを売るにはどこでしようか。


 何やら怪しげな店を見つけた。

 少し路地裏を歩いていたら、ダンジョン素材高く買いますの張り紙が。

 怪しさ満載のその店は何やら不思議な店だ。

 異空間と言った感じだ。

 空間の磁場が歪んでいる。

 店主らしき奴が現れた。


「ほっほっほっほ……どうやら同類さんが来たようですな」


「魔族……」


「そちらの嬢ちゃんはわかるようじゃな」


「あなたは山羊魔族のようですね」


「狼魔族の人ですねそちらは」


「変身は解いても良さそうですね」


 お互いが変身を解く。

 すると山羊魔族と言った感じの頭だけ山羊がいた。

 

 山羊魔族の男が話す。


「私の店に来るなんて物好きな人もいるもんですね」


「こちとらわけありですからね」


「なるほど……そちらの御嬢さんがそうですね」


 一瞬で物事を見分ける洞察力を誇る。

 この山羊只者ではない。


「それじゃあたまに足を運びなさいな」


「それではまた失礼する」


 ダンジョンの素材を買い取って貰った。

 なかなかの金になった。

 暫くはここ日本橋のダンジョンに潜るのも悪くないだろう。

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