第36話 ダンジョン一般開放

 2022年7月11日。

 その日の朝は通常通りの日だった。

 だが国会ではダンジョンについての報告がなされていた。


 そして話は淡々と進み、ダンジョンに対して法的措置を取る必要があると審議された。


 2022年の7月16日。

 国会ではダンジョン対策法を盛り込んだ安全ダンジョン探索法も可決された。


 これにより即日からダンジョン探索者という国家資格が発行されるようになる。

 武器の携帯を認められて、ダンジョンで得られたアイテムの売買が出来るようになる。


 拓朗はこのニュースを知ることになる。

 拓朗は俺既に凄いレベルだけど大丈夫かなと呟く。


 現在増宮拓朗のレベルは359である。

 水野蒼威のレベルは158である。

 スランのレベルは68である。

 ブルースターウルフのアオマサはレベル52である。


 拓朗はダンジョン探索者の資格を取るべきか考えていた。

 とりあえずレベルは偽装のスキルでなんとかなるしと楽観的だった。

 そしてダンジョン探索者の資格を取ることにしたのである。


 ダンジョン探索者の資格は最寄りの自衛隊基地で取れるらしい。

 拓朗と蒼威ちゃんは最寄りの自衛隊基地に行った。


 そして筆記試験と体力測定を難なく受けて帰宅。

 次の日合格の通知が来た。

 そして最寄りの警察署に行きダンジョン探索者カードを発行してもらった。


 ただ拓朗と蒼威ちゃんはプライベートダンジョンを持っているのであまり関係なかった。


 そして自宅のダンジョンの攻略を再開するのであった。


 

 

 現在162階層まで来ていた。


 覇道の神過法を使いつつ、うやむやにするほどの強さのモンスターが現れている。


 鬼神熊とかいう速いし防御力のあるモンスターが出現した。

 雷神で破壊しようするが耐えられた。

 

 そして氷結刃が飛んでくる。

 当たったらひとたまりもない。

 蒼威ちゃんが水覇刃を放つ。

 すると鬼神熊が仰け反る。

 アグニスが剣で攻撃する。

 そのままノックダウンした。

 スランが酸弾を放つ。

 アオマサが星爪で攻撃する。


 そしてなんとか倒した。


 そこから3時間ほどで下へ続く階段が見つかる。


 163階層まで来た。

 夜叉鴉が現れた。

 音速を超える速さで俺達を追い詰める。

 俺は153階層で獲得したバーニングスターブーメランを使う。

 敵を自動で補足し、発射と同時に敵を攻撃する武器だ。

 夜叉鴉は音を置き去りにしてアオマサを補足する。


「ちょこざいな! このアオマサがこんな鳥ごときにやられると思うのか!!」


 うちのお犬様はなんか名前を蒼威ちゃんから貰ったら、凄くうれしそうにしていた。

 蒼威様にお名前を貰えるなんて大変光栄ですとか言っていた。

 アオマサは流星のごとき速さで夜叉鴉を追い詰める。

 ブーメランが夜叉鴉に当たる。

 さほどダメージにならず、俺は次の対抗策を放つ。


 重力魔法『アイアングラビトン』を放った。


 夜叉鴉はその白い羽のような素早さが鈍った。

 アオマサが星覇爪を放つ。

 夜叉鴉は一撃で粉砕された。


 その後5時間ほどで164階層の階段を見つけた。

 164階層まで来たところで今日の探索を終了した。



 アリスとロウガが二人でバイク旅をしていた時、一つのダンジョンを見つけた。


 黒い穴はいつもより禍禍しく渦巻いていた。

 その暗黒の底が見えない邪悪な渦に二人は飲み込まれていった。


 66階層にて……


 自作の魔導粒閃銃を腰のホルスターに装填する。

 左には魔導ロッドとして仕込み刃がしている槍杖を持っている。


 ロウガは右爪に仕込み爪をしている。

 アリスは魔力を消費して自作の武器を創造するほどまでに力をあげていた。

 66階層の邪神の僕を相手にしていた。


 異形の怪物で顔が口だけで悪魔のような眼玉が無い。

 そいつが蠢くたびに地面が揺れる。


 今その異形の化け物が死んだ瞬間だった。


 宝箱が現れる。

 黒い宝箱だ初めてみる。


 暗黒色と言うのはなんとも形容しがたい。

 開けた瞬間邪神のお守りが獲得されたとモノローグが出た。

 アリスたちは邪神の世界に飛ばされた。


 ようこそ 強き者よ 

 我の元にこうも早く来るとは大変うれしいぞ。


「あなたは一体……」


「あなた様は……」


「そうだ……我が邪神だ、魔を統べる王が贖う神の中の神」


「正確には邪神ゼノラードと言われている」


「邪神ゼノラード様会えて光栄です」


 ロウガが膝をつく。そして大変うれしいのか泣いている。


「私は神なんて信じない」


「本人に会っているのにか? 面白い少女じゃな」


「神様は助けてくれなかった。お母さんもお父さんも」


「我は邪神だからな……むしろ人間にとっては敵だな」


「じゃああなたは私の敵なのね」

 

 銃を構えるアリス。

 

「ほほう、我とやるというのか……なかなか骨のありそうな女じゃな」


 銃弾が発射される。だがそれを手で掴む邪神。

 

「そんな……倒すのは無理なの……」


「まあそう焦るな……お主に我の加護を上げようじゃないか」


 邪神ゼノラードが首筋にキスをする。

 するとタトゥーが出来るアリスの首筋に。


 そして暗黒の調べに心を凌駕されるアリス。


「私は貴方に支配されないから」


「物凄い覇気だな。暗黒の力を自分の物にしたのか」


 アリスの邪気が途轍もないものになった。

 そしてアリスは世界をわがものにすると願う。

 


 ダンジョンが一般開放された次の日から日本橋ダンジョンは人だかりが出来ていた。


 年齢制限は15歳からで誰でもダンジョン探索者になれるとまで言われた。

 よっぽど体に障害があるとかじゃなければ誰でもダンジョン探索者の資格を発行していた。


 既に何人かの挑戦者が18階層まで挑戦したという情報が寄せられていた。


 だがそれ以上先には誰も行ってなかった。

 19階層は危険なモンスターがいるという前情報が寄せられていたからだ。

 よって18階層でレベル上げをする若者が見られた。


 だがそこを打倒の速さで攻略していく若者がいた。

 彼の名前は結城勇人もとい勇者ロイトだ。


 ロイトは疾風の速さでダンジョンを攻略していった。

 しかも自身のスキルなのかダンジョンの攻略映像を配信しているのである。

 これが注目を浴びないわけがない。

 テレビ局のインタビューを受けるロイトが湧きだった。


 ロイトは28階層まで攻略を進めていた。

 ダンジョン解放の次の日にこれである。


 ダンジョンの力が全てを凌駕する時が来るのか。



 その頃……

 

「ふわ~~~~なんだここは?? 我が魔王城の自室で寝ていたのに……どこだここは!?」


 梅田に一人の可愛い魔王が降り立っていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る