第37話 魔王リスティの日本生活
うう~ここはどこなのだ~。私は確か魔王城でぐうたら寝ていたのにそろそろ晩御飯だと思ってご飯かなと思って降りようとしたのにどういうことなのだ~~~~~
魔王リスティはある世界の魔王である。
といっても人間と敵対しているわけではなく魔族の王と言われるだけで危なくない魔王だ。
戦闘力は高いのだが、武力一辺倒ではなく魔法も得意だ。
リスティの世界では強さのランク付けにSSSランク、SSランク、Sランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランク、FランクまであるがリスティはSSランクである。
だがリスティの世界には自分でも敵わない強敵もいる。
神竜ゼルドブラスト、神麒麟マグラファム、次元魔狼ギャルブレッドというSSSランクの化け物たち。
こいつらみたいな化け物が存在する世界だ。
といっても彼ら彼女らは不干渉という条約を取り揃えている。
だから敵対してない。
そんな魔王リスティはここ日本に来ていた。
右も左もわからない。
平和主義ではないが面倒事は勘弁してもらいたいと思えるほどリスティは意外と敬愛な少女だった。
どうすればいいのだと自問自答するリスティ。
取りあえず、食い扶持を探さないとと元の世界に戻るのはそれまでだ。
リスティは様々な店に自分を雇って下さいと懇願した。
だが子供は雇えないと皆断る。
リスティは今年で15歳になって成人したばかりと言い張る。
リスティの世界では15で成人だがここ日本では20歳で成人なので齟齬が発生している。
リスティを雇ってくれる店は無かった。リスティは絶望した。なんだこの世界はふざけるなと怒りを露わにした。
だがそれでもご飯が食べられない。お腹空いたな。
仕方なく公園に寝泊まりする。
夜を独りで過ごした。
次の日、公園のベンチで目が覚める。
お腹すいたなともう少し寝るかと二度寝する。
三時間後、午前十時ぐらいにまた目が覚める。
お腹空いているのでもう少し寝る。
三時間後、午後一時ぐらいに目が覚める。
流石に限界だ主にお腹が。
何か食べたい。
どうしようとこの世界のお金が欲しい。
そう言えばこの公園では人がいる。
そしてギターを片手に歌っている人がいる。
その周りには人だかりが出来ている。
そしてカンパなのかギターケースにお金を入れているみんな。
あれだ!! だが楽器はないならば何か大道芸的なことをすればいいのではないか。
リスティは自身のステータスを確認する。
すると確か自分のレベルは現在128のはずなのに98に下がっていた。
レベルが30下がっている。
どういうことだろう??
こっちの異世界に来てしまったことが影響しているのだろうか。
まあ仕方ない下がってしまったものは。
またあげればいいからなレベルは。
私はこれでもレベルアップの心地よさを知っているからまた強くなれるのはありがたいな。
さて大道芸の準備だ。
空き缶を拾ってくる。
それを的のように置いておく。
それを打ち抜くように、魔弾を放つ。
銃のように球を圧縮する。
リスティは空き缶を打ち抜いていく。
すると拾った瓶にお金を入れて下さいと書いておく。
なお日本語はこっちに来たとき古新聞を読んだ瞬間覚えた。
リスティは頭が良いのでというよりこの世界に来た影響なのか異世界転移した影響なのか日本語をすんなりと覚えていた。
言語のことの不思議は今は置いておこう。
とにかく日本語で紙によかったらお金を入れて下さいと書いておく。
そして空き缶を打ち抜く。
しかしなかなかお金を入れていく人はいない。
ちょっと眼を止めてくれる人はいるが直ぐに興味を失うのか直ぐいなくなる。
もっといい方法はないのか?
お腹すいたな~お金さえあれば。
火の玉を出す炎魔法で火の玉なんておちゃのこさいさいだ。
火の玉で御手玉をする。
これでも誰も眼を止めない。
ならば雷魔法で缶を打ち抜く。
するとちょっと気づいた人がいるのか見ている人がいる。
よし!! いいのだ!! もっと私に注目するのだ!!
続いては水魔法だ。水の玉を作り出す。それを缶を狙う。
缶はいつの間にか集めていたのでなんとかなる。
しかしみんな見ていても直ぐにどっかにいってしまう。
もう限界なのだ~~~!!
お腹空いた~~~きゅるるるるるる~~~~~~~~~~
その場に倒れてしまったリスティ。
起きるとベンチで寝ていた。
すると傍には小汚いおっさんがいた。
「おお起きたかお嬢ちゃん。お嬢ちゃんみたいな可愛い娘がなんでこんなところに倒れていたんじゃ?」
「おじさんはなんでそんなに小汚いの?」
「儂はホームレスじゃからな」
「ホームレス? 家が無いの?」
「うむそうじゃなわけあって家が無いのじゃ」
「ここで寝泊まりしているの?」
「うむそうじゃなだが儂がもう少し若ければダンジョンで稼げるのになと後悔するのだな……」
「ダンジョン?」
「お嬢ちゃんはニュースを見ないのか? ダンジョンが一般開放されたのじゃよ」
話を聞くとダンジョンがこの世界に日本に現れたことを知った。
そしてダンジョン探索者の資格を発行しているという事実を。
これなら稼げると確信したリスティ。
そうだ私は魔王だ強いからダンジョンのドロップ品を売れば直ぐに生活できる。
だがここで問題があると魔王リスティは考える。
日本国民ではない。
私はいわゆるこの世界の新聞から得た知識によると難民みたいなもんだ。
だからダンジョン探索者とかいう資格を得られるか疑問だった。
とりあえず市役所に行く。
ホームレスのおじさんに礼を言い市役所を目指す。
市役所に到着した。
そして自分は異世界から来た少女だと宣言する。
すると担当者がくるので待って欲しいと言われ少しばかり待つ。
すると異世界難民の方ですねとあっさり信用される。
何故信用されたのか。
すると話を聞くとエルフとか言う人種とかドワーフとか他にも獣人の方が来ているとか。
あなたもそうなんですねと信用されているようだ。
そして異世界難民としての難民カードを発行してくれた。
住所は無いがこれで公共サービスは受けられるようだ。
そしてダンジョンに潜りたいと言ってみると臨時のダンジョン探索者の資格を発行していると言う。
やった。これで稼げる。
だが問題がある。
住所が無い。
でもアパートとか住めるかな。
そうして異世界難民と言うことで難民枠で雇ってくれるところを探したら一軒のラーメン屋にバイトだけど就職が決まった。
と言っても土日だけの勤務だからそんなに疲れないと思う。
そしてさっそく明日7月20日から勤務だ。
リスティは最初は接客業は大変だという印象を受けた。
ラーメンや餃子をテーブルに持っていく作業。
注文を受けると複雑な注文を覚える作業。
皿洗い、掃除、など。
嵐のような二日間は過ぎ去った。
だが平日は住むところを探さないといけない。
何時までも公園とまではいかないのだ。
その前にダンジョンに行くのだ。
ダンジョンなら稼ぎ放題だ。
そしてネカフェとかに泊めて貰えばいいのだと楽観的だった。
リスティは日本橋ダンジョンに急行した。
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