Mirage of Kingdom ~双生のアリア~

第１楽章 忘れ去られた聖域

０１．序曲

　遥か昔――。

　水の女神と火の男神が天から舞い降りた地に、『セレスティア』という楽園ような王国が作られました。

　国は、豊かな精神性と自由な創造により栄えました。

　彼らは目に見えぬ物を大切にし、自然に宿るマナを操る魔法を得意としていました。

　セレティアの王族達は、愛と調和によって統治を行い、国は長い間、繁栄を続けました。

　やがて、火の男神の子孫達は新たな世界を夢見て国を旅立ち、遠く離れた土地に自分達の帝国を作り上げました。

　帝国人達は、セレスティアの暮らしをすっかり忘れ、神の力や霊性を否定し、物質的思考と科学の力によって発展を遂げていきました。

　彼らは次第に、より多くの富と領土を求めるようになり、他国を支配するための武器を作るようになったのです。

　そうして、セレスティア王国とティマイオス帝国のふたつの国は、互いに相容れぬ存在となっていきました。

　セレスティアの魔法の力を羨み恐れたティマイオス帝国は、その力を奪い取ろうと侵略を始めました。

　激しい戦争の末、セレスティアは遥かに高い技術を持った化学兵器によって破壊され、王国が栄えた大地は荒れ果てた砂漠と化したのでした。そして……

「わたし達は、一つだった…。」