第43話:奴隷ハンティング二

 自重を捨てて数百創り出した強化意識体ドッペルゲンガーは、次々と腐れ外道を確保して連行してきてくれた。

 囚われていた人々も救出してくれた。

 救出された人の多くが、誘拐されて偽造書類で奴隷にされた人達だ。

 中には正当な手続きで奴隷にされた者もいたが、殺されなければいけないような奴隷などほとんどいなかった。


「さて、この悪事に加担している者を全員教えてもらおうか。

 嘘をついてもこの後で頭の中を探るから無駄だよ。

 だったら何故こんな事をするが疑問に思っているね。

 簡単な話だよ、嘘つきの舌は引き抜かないといけないからね。

 後で嘘つきの舌を引き抜くためだよ、なに、お前達が人々を痛めつけて殺していた行為に比べれば、可愛いものだよ」


 このやり方がとても酷い方法なのは、俺自身がよく分かっていた。

 だが「目には目を歯には歯を」が俺の信条だから、これはやらなければならない。

 この腐れ外道共がやっていたのと同じように、言葉でも痛めつけなければ、被害者達が受けた苦しみには届かない。


 すでに多くの人達が絶望と苦痛の中で死んでいるのだ。

 殺す前にどれだけ苦しませるかが復讐には大切なのだ。

 悪人が自分のやった事以上の罰を受けるという噂が大陸中に広まることが、これからの被害者を少なくすることにつながる。


 今まで結構長く多くの場所で天罰を下していて、大陸中に噂が広まっているにもかかわらず、それでも悪事を重ねる者が跡を絶たないのだ。

 まだまだ俺の天罰が甘く、悪党どもに舐められている証拠だ。

 もっともっと残虐な天罰を下さなければいけないのだ。


「ヒッィイイ、許してください、許してください、全部言います、話します」


 口ではそう言ってはいるが、過去の事例では必ず嘘をつく。

 嘘をつかなくても、意識的に黙って言わない事がある。

 自分で白状すれば厳罰に処されると分かっている事は、特に隠そうとする。

 それがこういう腐れ外道の共通した言動なのだ。

 そんな事は重々承知した上で、舌を抜くために毎回同じことを聞く俺も外道だな。

 死んで地獄に落ちるのはこいつらと同じだが、その前にもっと悪党共を殺すのだ。


「さあ、さっさと全部白状してもらおうか」


 今回尋問しているのは俺だけではなく、意識体ドッペルゲンガーを総動員して一度に全悪党を尋問している。

 数が多いからやれることだが、悪党が多過ぎてこうするしかないのだ。

 身元のはっきりした悪党は、実家に強化意識体ドッペルゲンガーを送り込んで、金銀財宝を全て盗みださせる。

 今回は全てを時間短縮で行うのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る