第6話
「なるほど」
「事情は理解できました」
ここがユグドラシルとは別の世界で、これからの活動の足がかりとして冒険者になる予定であることを説明すると、シャルロットとシャインは同時に頷いてくれた。どうやら今のところ俺の決定に不満はないらしい。
「それで私達を呼んだということは……」
「ロボ様と私達で冒険者のチームを作るということですね?」
「そういうことだ」
シャルロットとシャインの言葉に今度は俺が頷いた。
流石俺が作成したNPC。話が早くて助かる。
正直この世界では俺一人でも充分だと思うのだが、万が一にも俺一人だけでは対処できない場面があるかもしれない。それを警戒して俺はこの二人を呼び出したのだ。
シャルロットとシャインは俺の戦いのサポートをする為の職業とスキルを揃えてある。
シャルロットは探知系、そして召喚系の職業とスキルを揃えた周辺の探索を担当。
シャインは回復系にポーション専門の生産系の職業とスキルを揃えた直接的な回復と回復アイテムの生産を担当。
つまりシャルロットとシャインは、俺にとってのレーダーと補給物資のようなもので、二人のサポートを得られたら複数のレベル百のユグドラシルプレイヤーとも戦える自信がある。常に充分な情報収集と戦力の補充ができるのなら常に戦いに勝てると、俺をユグドラシルに誘ってくれた二人のプレイヤーの一人で「孔明」と呼ばれていた知り合いも言っていたからな。
それに何よりシャルロットとシャインみたいな超がつく美少女を連れて冒険者をやればすぐに注目を得られるだろう。ラノベの知識によれば注目を集めれば大きな仕事がくる確率も上がり、冒険者として大成しやすくなるらしい。
「じゃあ二人の装備を出すぞ」
そう言って俺はいつもシャルロットとシャインの装備をアイテムボックスから呼び出した。そうして現れたのは、手足が長く女性型のデザインをした漆黒のパワードスーツが二体。
これがシャルロットとシャインの装備、「火力コソ正義六号・改」と「火力コソ正義七号・改」だ。
元々この二体のパワードスーツは俺が以前自作して実際に使っていたもので、それをシャルロットとシャインのイメージ合わせて外見とサイズを変え、武装を追加したのだ。
昨日ヘッケラン達から聞いた話では、この世界でパワードスーツは非常に珍しく、こことは別の国で活動している最高位の冒険者しか所有していないらしい。そんなパワードスーツを三体も揃え、美少女で双子のメイドを従えている、仮面で顔を隠した冒険者。注目を集める要素を盛りすぎな気もするが、ここでもう一つ演出を入れてみようと思う。
注目を集めると決めた以上はとことん派手にやった方が楽しいからな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます