7  困っても遅いのだが




古里の十年は

丸い石ころみたいに

旅にいざなわれた


山陰に五年もいたら

霧の病に取り付かれ

九州にもどったら

嘘のようにピンクの肌


ロマンスの七年を置き去りに

意気揚々と広島へ

冒険三年また逃げて


神戸でじたばた五年

それを諦め九州へ

そこでの四年を棒に振り


異国で過ごした衝撃の

七年間の原稿は

また海の藻くず

大阪へ


大阪は長い

黴のような二十三年

そんなもの要らぬわ


すっぱり決めて

房総半島に移りゃ

あとは地球を去るまでの日々

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