午前零時

雪桜

午前零時




悴んで死んだ世界の情緒

そこに私は立っている


永遠の逃亡も潰えて、両の手を突いたアスファルトの冷たさに黒星が落ちた


お前の吸っていたセブンスターが

一本だけ草木に眠っていた

微かな煙と、紅緋が、底に眠っていた


あの香り


苦い思い出


ホテルの薄暗いランプに照らされたお前の横顔

睫毛に反射した

その雫に映った今日の夜

夜汽車がそこをわたって

産声がお前の脳みそを乱反射した


あの香り


消えてしまうなら、私の旅路もここまでだ

瑞々しい碧など、煙に巻かれてしまった


私の旅路

世界の旅路


煙草一本で燃え尽きた



午前零時


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午前零時 雪桜 @sakura_____yu

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