午前零時
雪桜
午前零時
悴んで死んだ世界の情緒
そこに私は立っている
永遠の逃亡も潰えて、両の手を突いたアスファルトの冷たさに黒星が落ちた
お前の吸っていたセブンスターが
一本だけ草木に眠っていた
微かな煙と、紅緋が、底に眠っていた
あの香り
苦い思い出
ホテルの薄暗いランプに照らされたお前の横顔
睫毛に反射した
その雫に映った今日の夜
夜汽車がそこをわたって
産声がお前の脳みそを乱反射した
あの香り
消えてしまうなら、私の旅路もここまでだ
瑞々しい碧など、煙に巻かれてしまった
私の旅路
世界の旅路
煙草一本で燃え尽きた
午前零時
午前零時 雪桜 @sakura_____yu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます