　遠い未来。地球の大気は汚染され、人々は酸素マスクなしでは外を出歩けなくなった。もし酸素マスクなしで外に出たものなら、数分もしないうちに意識が飛んでしまうだろう。そんな中、とても便利なサービスが生まれた。それは、手術により肺に空気清浄機を埋め込むというものだった。人々はマスクをする手間をなくすため、肺に空気清浄機を埋め込んでいった。

　数年後。大気汚染はさらに悪化し、汚れた空気により、少し先さえ視界が遮断され、人々は特殊なゴーグルなしでは外を出歩けなくなった。もしゴーグルなしで外に出たものなら、数分もしないうちに車に引かれてしまうだろう。そんな中、とても便利なサービスが生まれた。それは、手術により眼球に直接ゴーグルを埋め込むというものだった。人々はゴーグルを装着する手間をなくすため、眼球にゴーグルを埋め込んでいった。

　さらに数年後。大気汚染はさらに悪化し、大気の温度は世界各地で異常に暑かったり、寒かったりした。そのため人々は特殊な防温服なしでは外を出歩けなくなった。もし防温服なしで外に出たものなら、数分もしないうちに脱水症状か凍傷になるだろう。そんな中、とても便利なサービスが生まれた。それは、手術により皮膚の下に防温シートを埋め込むというものだった。人々は防温服を着る手間をなくすため、皮膚の下に防暖シートを埋め込んでいった。

　さらに数年後、大気汚染はさらに悪化し、空気も、視界も、気温も恐ろしいほど酷いものとなった。木星に住む方がまだましかと思われた。人々は手術をし、様々なアタッチメントを体内に埋め込んでいるにも関わらず、その上からさらに酸素マスク、ゴーグル、防温服を着なければ外に出られなくなった。

　そんな中、とても良い意識が人々の中で芽生えた。大気汚染を改善していくという意識である。全人類の小さな行いひとつひとつが積み重なり、やがて地球の大気は大幅に改善された。そしてついに、人々はアタッチメントなしで外を出歩けるようになった。

　そんな中、とても便利なサービスが生まれた。それは、手術により人々の体に埋め込まれている空気清浄機、ゴーグル、防温シートを取り除くというものだった。