第197話 おっさん、夜戦をする
俺はダイヤモンド鉱山の上り口で暗視スコープを覗いた。
ふっ、松明も持って見張りしてやがる。
俺は暗闇からマグネシウムの粉が入ったカプセルを投げまくった。
いくつかが奴らの体に当たり爆発した。
「火を消せ」
馬鹿な奴らだ。
さてと、俺は金属ワイヤーとクロロホルムを染み込ませた布を手に、背後から忍び寄った。
まず布を口と鼻に当て意識が朦朧とした所で、金属ワイヤーで首を絞める。
うめき声も立てさせずに一人始末した。
「
「おい、一人倒れているぞ」
「敵はどこだ。探せ」
魔導の光を消すのは難しい。
俺は黒く塗ったダンベルで作ったボーラを投げた。
ロープの端に結ばれたダンベルが回転しながら飛ぶ。
光を出している魔導士に絡みつき倒した。
今だ。
ダッシュして、一番近い所にいる魔導士をクロロホルムと首絞めで昏倒させた。
魔導士を茂みに引きずりこんで止めを刺す。
「
「また、一人減ったぞ」
「よく照らせ。どこかにいるはずだ」
ボーラはさっき使ったから警戒されているだろうな。
「
俺は1メートルぐらいの黒雲を作り光源を覆った。
灯りの光が薄くなり、辛うじて見えるという感じになった。
ダッシュして、一番近い所にいる魔導士をクロロホルムと首絞めで昏倒させた。
「おい、そこにいるぞ」
「どこだ。薄暗くて見えん」
「
敵魔導士の魔導で新しい光が生まれる。
俺は素早く茂みに隠れた。
止めは刺せなかったが、戦闘不能には出来た。
「二つ以上の光を生み出すんだ。戦力が減るが致し方ない」
「
「
三つの光が生まれて辺りをこうこうと照らす。
三つ同時に光を隠すのは無理だ。
光学迷彩を使うと体は隠せるが襲うところがもろばれだ。
マグネシウムの粉を掛けて発煙筒を投げるはどうだろうか。
きっと防がれるな。
発煙筒を投げた地点に集中攻撃が来るに違いない。
奴ら、かたまり始めたぞ。
こうなればクロスボウの出番だ。
密集していれば、俺の腕でも当たる。
俺はクロスボウを発射し始めた。
装填済みのクロスボウは100張りはある。
「ぎゃ、矢を撃ってきた」
「
土壁が出来て矢を防ぐ。
壁があるから俺の姿は見えないだろう。
そら、マグネシウムの粉のプレゼントだ。
マグネシウムの粉のカプセルを投げ込む。
そして止めの発煙筒だ。
「うわー」
「服に燃え移った。誰か消してくれ」
そろそろ、いいか。
「
土の壁が砂になる。
俺は手あたりしだいメイスで殴り回った。
瞬く間に立っている者は俺だけになった。
ふぃー、全部で15人はいたかな。
後、残りは5人程だろう。
俺は山道を登った。
坑道のそばに建てられた宿舎を魔導士が警備している。
俺はクロロホルムと金属ワイヤーで始末した。
宿舎の扉に手動式のドリルで穴を開ける。
中を覗き見る。
魔導士は寝ているみたいだ。
俺は扉を開けるとランプを消し、ダイヤモンド魔導士をひとりずつ首を絞めて殺した。
別の宿舎で寝ていた水晶魔導士と思われる男性を起こす。
「遅くなった」
「助けがきたって事は奴らをみんな始末したのか」
「ああ、きっちり始末した。さあ、仲間や2級市民の鉱夫も起こして脱出だ」
「その前に坑道を崩そう」
「任せてくれ。岩でもなんでも砂にするスキルがある」
俺は丁寧に坑道を潰した。
復旧には時間が掛かるだろう。
その間に水晶魔導士が蜂起するはずだ。
そうすれば戦いに少しは有利だと思う。
帰ると俺を待っていたのは思いがけない報せだった。
なんと、ダイヤモンド魔導士が統治の方法を議員による民主主義にするという事だ。
議員には2級市民もなれるらしい。
なんか陰謀の匂いがプンプンするぜ。
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