第35話 おっさん、ミスト・ダンジョンの攻略完了

 2階層のザコ敵はミストウルフだった。


「そっち、行くぞ」

「死神の息吹よ毒矢になり吹き飛べ射撃ショット


 ミストウルフがモニカの炎弾を食らって吹っ飛ぶ。

 俺が駆けつけ素早くメイスで叩き霧にする。


拘束バインド。今よ!」


 エリナが風魔法で拘束する。

 アルマが掃除機で霧を吸い込んだ。


 掃除機のパックを素早く取り出して、燃え盛るゴミ箱にぶち込んだ。

 キャウンという声を発してパックは燃えた。


「良い感じに連携が取れているな」

「まあね。ムニ・ファミリーは無敵よ」

「油断するなよ。油断する奴から死んで行く。映画のお約束だ」

「分かっているわよ」


「また来たぞ。今度は二頭だ」


 俺が先頭のミストウルフを叩くと、霧になった。

 もう一頭は素早く俺の脇をすり抜ける。


シールド


 エリナが風の盾でミストウルフを打ち据える。

 ミストウルフは霧になった。

 アルマがどちらのミストウルフを吸い込んだら良いのか迷ったのが見て取れた。


拘束バインド


 風が渦巻き一頭を拘束。

 そして、魔法が移動して二頭目も一緒に拘束した。


 手早く処理して、二頭は魔石になった。


「アルマ、迷ったら近い方から吸い取れ。一頭、減ればそれだけ楽になる」

「はい」


 こうやって対処のパターンなどを研究しながら、2階は突破した。


 いよいよ、2階層のボス敵だ。

 2階層のボス敵はその形状からミストクィーンピクシーと名付けた。


 ミストクィーンピクシーは炎の塊を撃ってきた。


「おい、魔法を撃ってきたぞ。みんな避けろ。俺が前に出る」


 俺は前に出てメイスを振るう。

 ミストクィーンピクシーはひらりひらり避ける


 ミストクィーンピクシーは魔法を撃つため動きが止まる。

 俺は肉薄しメイスを振るうと、魔法と相打ちになった。

 魔力壁のおかげで俺は無傷だ。

 ミストクィーンピクシーは霧になる。


「今だ、拘束の魔法を」

拘束バインド。どんなもんよ」


 エリナが風魔法でミストクィーンピクシーを拘束。

 アルマが掃除機で吸い取り討伐完了。


 3階層だ。

 ミストゴブリンとミストピクシーが敵として出てきた。

 ミストゴブリンが前衛を務めミストピクシーが後衛を務める。


「まずは前衛だ」


 俺はミストゴブリンを叩く。

 霧の弾丸が俺に当たる。

 俺の魔力壁を突破出来ないようだ。

 何もダメージはない。


 ミストピクシーをメイスで叩き処理して戦闘は終わった。

 俺が前衛でいく分には問題ないだろう。


 霧の弾丸だが、アルマが食らって体力を吸い取るものだと判明した。

 三人に弾丸は避けろと指示をだした。


 そして、攻略は進み楽勝で3階層を突破。


 いよいよ3階層のボスだ。

 その姿形はドラゴン。

 3階層のボスはミストドラゴンと名付けた。

 大口を開けるといきなり炎のブレスを放って来た。


「どいて。シールド


 エリナが風魔法で盾を作りブレスを逸らす。


 俺は側面に回りこみメイスを振るう。

 げっ、メイスが壊れた。

 まあ、予備は沢山あるんだけどな。

 アイテムボックスから取り出した一番高級なメイスで殴ると、ミストドラゴンが霧になった。

 アルマが掃除機で吸い取るが1パーセントにも満たない。


「吸い取った分だけでも、焼却しろ」


 紙パックは焼却されたが、再び実体化したミストドラゴンは見た感じ全然、縮んでいない。


 長期戦は一時間にも及んだ。

 実体化しての爪や噛みつきや尻尾攻撃は厄介だった。

 何度吹き飛ばされ地面に叩きつけられた事か。

 ブレスはエリナが風魔法で防御してくれるが、タイミングを間違えば丸焼けだ。

 魔力壁でもブレスは防げないだろう。

 レベルがもっと上がれば大丈夫かもしれないが。

 神経をすり減らす戦いだった。


「このくそ、やっと半分の大きさか。早く魔石になりやがれ!」


 俺達に疲労の色が色濃くなり始めた頃。

 遂にミストドラゴンは魔石になった。


「やったな。お疲れ」


 ボス部屋を出る扉をくぐるとダンジョンコアがある。

 コアから魔力を吸い取って、買った商品は大体3千万円ぐらいだった。


 俺はステータスをチェックする。


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV261

魔力:21278/26100


スキル:

収納箱

魔力通販

魔力壁

混合

変形

罠探知

方向察知

――――――――――――――


 30以上レベルが上がった。

 まずまずだな。


 明日から三日ほど休もう。

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