202010ジャパロボ 始動

渋谷かな

第1話 202010ジャパロボ 始動

「ねえ、ジャパロボって知ってる?」

「マンダムみたいなものでしょ?」

「そうそう人型ロボットなの。」

 元はカーレースゲームであった。その車に手と足を着けただけのロボットであった。全世界で初めてAI搭載人型ロボットの量産化に成功して、日本国政府が買収し、自衛隊に軍事転用し、アメリカや中国に戦争を仕掛け、日本国が世界を征服した。正にマンダム。

「壮大なスケールの物語ね。」

「そうなの。昔は壮大なスケールのストーリーに憧れたのよ。」

「で、今回はどんな物語なの?」

「今回は世界を征服した日本国に対し、全世界のテロ組織がテロ行為を画策しているの。それを阻止する所から物語が始まる。」

「おお、良い感じね。」

 始まりはいつも突然に・・・・・・。

「よし! あらすじできた!」

 過去の経験値だね。アハッ!


「次! 登場人物!」

「元々は女子高生の祐奈はん専用のロボットがジャパロボだったような。」

「ここでジャパロボに搭載されるAIの明治天皇を思い出す。なぜか関西弁なのよね。」

「それで主人公の祐奈ちゃんはどうなったの?」

「もちろん全国ジャパロボ大会を連覇! そして自衛隊に入隊。ジャパロボのパイロットとして世界征服に貢献したことは間違いない!」

「実際は戦闘データを量産機のAIに入力しただけ。当の本人は眠り続けて自衛隊の仕事をサボったという。」

「パトレイ〇ーのような話ね。」

「そうですね。で物語を進行している私たちはいったい誰ですか?」

「そうね? 私の名前は、広瀬すずか、石原さとみでいいわ。どうせ特定できる個人情報はないから同姓同名で押し切れるしね。なんならミックスで広瀬さとみ、石原すずでも問題ないわよ。」

 ということで、広瀬さとみ16才の女子高生に決まる。

「私はAIの令和天皇。よろしくお願いします。アハッ!」

「関西弁じゃないんだ~、ショック。」

 相方のAIは令和天皇に決まった。

「時代が流れ、マンダムのハロ型だったAIも、人型AIロボットに進化していてもいいんじゃない?」

「やったー! 私も女子高生! わ~い! 手と足がある! これで素敵な恋ができる。」

「令和ちゃん。話が膨らみ過ぎよ。」

「アハッ!」

 すんなり主人公と相棒の名前が決まって良かった。一番の鬼門を突破で来た。


「後は、お友達と、ライバルと、敵を決めなくっちゃ。」

「物語の基本ですね。」

 最初に考えておくと、これをあらすじに貼るだけでいい。

「友達は石原すず。ライバルは広瀬イリス。敵は竹内優子。」

 珍しく名前が簡単にできた。

「完璧! 二人の名前をいじっただけで簡単にできた! 今までどうして、これでいいと簡単なことに気づかなかったんだろう! どれもそれらしい名前だし。アハッ!」

「遂に名前問題に終止符が打たれた!?」

 永遠の課題名前問題。他者の作品は山手線をもじったり、車の名前をキャラクター名にしたり・・・・・・。アニメ化される様な作品の売れっ子作者でも面倒臭いのだろう名前名付ける問題。芸能人の名前を2人を足して割る。1人の名前をもじる。これだけで良かったのだ。


「最後にストーリー! でも、ここで思いついちゃった。」

「何を!?」

「これって、マンダムとかラブライプと同じだなって。マンダムからマンダムZ、マンダムZZ・・・・・・みたいな。ラブライプからラブライプ・サンシャイン、ラブライプ・虹が先アイドル同好会・・・・・・タイトル変えただけで内容は同じなのよね。」

「二匹目のドジョウ狙いばっかりですよね。それで40周年なんだから会社は苦労せず儲かって仕方がない。ワッハッハー!」

「ということは!?」

 何かに気づいてしまった。

「同じ内容でタイトルだけ変えていけばいいのだ!」

「後は釣れたファンが一生死ぬまでお金を落としてくれる!」

「だから売れた作品はシリーズ化されるのね!」

「お金! お金だ! これでお金持ちになれるぞ!」

「盆とお正月が一度にやって来たのだ!」

「ワッハッハー!」

 バカ騒ぎも終わり落ち着く。

「同じ作品を繰り返し書いていればいいのだ!」

「はい! 結論にたどり着いた所で本日はお開き! 本編をどうぞ!」

 深々と頭を下げるさとみと令和であった。

 終わる。

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