第31話 31.オーナーの思いもよらない提案
<麗香>
しほの行動と言葉に
『キュン』
っと胸が急に苦しくなってしまった私
『彼女?彼?は年下!!私は年上が・・・良かった・・ハズ・・なのに・・何で?』
意識すると・・ドキドキしてきちゃったじゃない
『心臓の鼓動が・・痛い・・』
抱き着いてきている・・しほも?
しほの胸も
『ドクン』
『ドクン』
って・・・
き・・きっと気のせい・・よね?
そんな私達を置いて佐竹の叔父様が渡された宝石の鑑定が終わったみたいで
「私の目でもこの宝石を鑑定する事が出来ませんでした。麗香ちゃんのネックレスに付いている宝石も地球上無い物でしょうし・・しほ?さん・・この宝石は何処で・・手に入れたのでしょうか?」
佐竹の叔父様が真剣な表情で、私に抱き着いて甘えているしほの方を見ながら聞いてくる
『お・・叔父様・・そんな目で見られると恥ずかしいんですけど・・私達、百合じゃないですからね?』
しほは佐竹の叔父様の言葉に
わたしの腕に埋めていた顔を上げた瞬間
「異世界?・・・か・・・も?」
って一言
『しほ?そんな性格だっけ?優柔不断って感じだったのに・・・変わっちゃった?』
そんなしほの言葉に佐竹の叔父様は
「アハハ~そうですな」
と一言
そして続けて
「残りの金塊200本は何時お引渡し頂けますかな?」
と『ジュエリージュエリー』のオーナーの顔に戻った佐竹の叔父様
「今すぐにでも良いですよ?」
しほは平然と答えるけれど、どう見ても200本もの金塊を持っているようには見えない
「その金塊は何処にございますでしょうか?」
しほは佐竹の叔父様の質問には答えずに
「金庫を見せてもらっても良いですか?」
佐竹の叔父様も一瞬
『へっ?』
っと思ったようだけど、何か思う所が有ったのか
「こちらでございます」
と早速席を立って店舗の奥へと私達を先導してくれ、店舗の奥の部屋に私達2人を招き入れドアを閉めた。
その部屋はシンプルな執務室のようで一つ机が設置してあり、その後ろは壁一面の本棚
『このお店には何度も来たけれど、此処は初めて』
佐竹の叔父様はその本棚の本を徐に一冊取り出すと・・
音もなく本棚が横にスライドして後ろから地下へ降りる階段が現れた
『何?此れ?スパイ映画みたいじゃない!!佐竹の叔父様って何者?』
しほは・・何も言わずに・・私の左腕を抱き締めて・・
『あんた本当に男?女の子になりきってる?・・あ~佐竹の叔父様に仕草で男だって解ったって言われてたっけ・・』
佐竹の叔父様の後に付いて地下への階段を降りて分厚い鉄の扉を開けると・・・
金庫というより部屋!!
地下室には棚が一杯設置され其処に宝石が入っているであろう箱が無数に置かれていた。
そしてその箱には番号が振って有り中身は解らない
そして一番奥には?
『兵器?』
拳銃、機関銃、対戦車砲?、ガトリング砲、ロケットランチャー?
物凄い量の銃器・・・・
『叔父さん一体何者??』
しほはそんな状況には一言も触れずに・・
「金塊を出すのはこの隅の床で良いですか?」
ってあっけらかんと佐竹の叔父様に聞いてくる
「あ~かまいませんが?」
と疑心暗鬼で答える佐竹の叔父様
その瞬間
私と佐竹の叔父様は信じられない物を見ていた
『部屋の隅の床の上には一瞬で金塊の山が出来ていた!!』
『信じられない!!』
最初に動いたのは佐竹の叔父様
「アハハ、金塊200本用意出来ると仰ったお嬢さんが、何も持たないままに金庫に案内して欲しいと言った時には半信半疑でしたが此れは凄い!!
この金塊の出所が異世界・・と言われた事も存外本当の事なのでしょう
今はしほ?さんと呼ばせてもらっで宜しかったでしょうかな?
折り入ってしほさんにお願いが有るのですが宜しいでしょうか?」
と想定外の言葉をしほに告げて来た佐竹の叔父様
『佐竹の叔父様からのしほへのお願いって何だろう?』
私も気になる!!
しほは
「お願いの内容にもよりますが・・・」
って小首を折って可愛い仕草で答えてくる
「率直に申しましょう、この金塊多分100本を裏の世界で捌けば明日の朝までに100億をご用意出来ます。
その中の50億を私に貸しては頂けないでしょうか?」
と真剣な表情でしほにお願いする佐竹の叔父様
「内容にもよりますね」
しほが考えるように佐竹の叔父様に返答すると
「麗香ちゃん、今日顔色が優れないけど何か有ったんじゃないのかい?」
って佐竹の叔父様から突然話を振られてドキッっとしたが
空かさず
「な・・何も・・無い・・何も無かったわ?叔父様」
と返答したけれど・・動揺は隠せなかった・・・
そんな私を佐竹の叔父様が見ながら
「今日の朝、麗香ちゃんのお父さん、猛くんが来られてね。50億用意出来ないかと相談を受けたんだよ。
私の所でも数日で返却出来るならば用意出来なくは無いんだが、長期に渡って貸し出すとなると難しいって返答すると、やっぱり白鳥病院の長男、卓志君と娘の縁談話を進めて血縁関係を結んで融資をお願いするしか無いようだ。この話は忘れて欲しいって帰っていったんだ・・
その分だと麗香ちゃんの所に縁談話を受けろってお父さんが行ったんじゃないのかい?」
佐竹の叔父さんからの話を聞いた瞬間・・
・・・・
・・・・
・・・・
私の頬を冷たい涙が次から次へと流れて流れ落ちていた
私は頬を流れる涙を触りながら
「あれ・・泣くはずじゃなかったのに・・」
作り笑顔で笑ってみせる
その瞬間
『私はしほに抱き締められていた!!』
私は・・
しほに抱き締められ泣きながら今日病院で言われた事をしほに全部話していた。
話を聞いたしほはギュっっと私を抱き締めながら
「ここまで俺をこんなにも好きにさせて、黙って俺に何も言わずに居なくなるなんて許さないからな!!
佐竹さん金塊は明日までに換金出来るんですよね?
佐竹さん麗香の為なら好きなだけお金を使ってください、足らなければ金塊は無尽蔵に私が作り出します
麗香そのお金、明日の朝親父さんに叩きつけてやれ!!
そして麗香は自由に生きれば良い」
って言ってくれた。
「しほ様の麗香ちゃんへのプロポーズこの佐竹シッカリと聞かせて頂きました。この佐竹生き証人として必ずや麗香ちゃんの父君にしほ様と麗香ちゃんの結婚を承諾させましょうぞ」
と言って満面の微笑みを向けてきた佐竹の叔父様
その言葉に!!
しほに抱き締められた私としほは
同時に顔を見合わせて
「「え?」」
っと叫んだ後、真っ赤になって固まった!!
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます