第5話 飛行形態ドコマデモイクンジャー
「まぁ僕の家に付いてきなって」
私達は手当を受けたパオロ親方を担架で運ぶ弟子達とパオロ一家と共にリスティの家に行く。
リスティの家というよりパオロ親方の家だけれども。
村人が猛る中、パオロ親方を担架で運ぶ弟子達の歩行に合わせながらでも、リスティの家にはすぐ着いた。
「貴方の家よね。昔はよく遊びに来たわね」
召喚士の勉強と妹から目を離すのは不安だったという理由と
妹を一目に触れさせたくなかった理由。
リスティは村長になりいつも忙しそうにしているため邪魔をしないようにという理由。
それだけではないが、年齢を重ねるとともにリスティの家に
遊びに行く事は減っていった。
久しぶりにリスティの家の中に入ってみてもそう変わりはしない。
「ふっふーん。僕の家はただの家じゃないんだなこれが」
リスティがわくわく村長を遡り、昔見たわくわく少年そのものな表情と仕草を見せる。
リスティは少し大きくなったように見えてこういう所は変わってないわね。
「リスティ、子供みたい」
妹が嬉しそうに言う。
「僕はまだ子供さ」
今まではあまり外に出してあげられなかった。本当はリスティにもっと会いたかったでしょう。
合わせてあげたかった。
この戦いが終わって平和になれば、好きなだけリスティにも会わせてあげられるし、好きな場所に行かせてあげられる。
リスティが食器棚の食器をどけ何かのボタンを押すと部屋にレバーやボタン、わけの分からない装置や機械
が出てくる。
「この村はこんな時のために周囲の畑や農場森林湖山事移動できるようになっているんだよ」
「そんなの知らなかったわよ」
こんな時のためににで出来る事なのかしら。
「外敵に知られるわけにはいかないからな。僕達家族と限られた者しか知らない秘密なんだぜ」
「この村事どこにも行けちゃうの。凄い凄い。でっかいくじらさんも見にいけるの」
一緒に見に行きましょうね。今まで満足に外に出してあげられなかった分も。
「ああ、サイでもゾウでも麒麟でもなんでも見にいけるぜ」
「麒麟さんの耳に手届くかな」
「それは低空飛行が過ぎるな」
「それが本当なら凄いな。俺様の世界で全てを征服したが、そんな話は聞いた事がないぞ」
「本当だよ。俺と父ちゃん、母ちゃん、父ちゃんの弟子達が移動できるようにしたんだから。
今はいないけど爺ちゃんが若い頃から計画してたんだ」
パオロ「爺ちゃんの代よりもっと前からだぞ。こんな事2代3代で実現できるわけないだろう」
「え、そうなんだ」
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