第3話 私は自由よ。もう何も我慢する必要がないので外道どもにざまぁ断罪

「征服済みの武器も持たない民に剣を刺すか」

 征服王がハハと笑う。

 「外道ども。俺様が相手になろう。貴様達外道に征服王の兵というものを見せてやろう。

兵召喚」

 王召喚された王は兵召喚をできるようになる。

その事は教えずともできると本には書いてあったが、できることすら教えずともいいようだ。

 30の兵が現れる。

 「この村を征服するぞ」

 征服王が兵に言うと兵が外道どもを殺害していく。

 私は征服王の傍にいることにする。

 「む、主よ。傍によるか。いいぞ。俺様が許可してやろう」

 何故召喚主が召喚対象に許可を貰わなければいけないのか。

 「貴方の傍にいた方が貴方の能力を強化できるのよ」

 「分かっている。言い方が気に食わないなら言いなおしてやろう。俺様の隣にいろ」

 あまり変わってないわ。

 「さっきのクソ外道は私が殺すわ」

 「良いだろう。主、領民を傷つけた外道に裁きを下せ」

 私と征服王はパオロ親方の足を刺したクソ外道に剣を持って近づく。

 「救済よ。有難く思いなさい」

 クソ外道の肉を抉り肝臓と腎臓を剣で刺す。いたぶる暇はないので頸動脈を切り両目を素手で抉り取り鼻を削いでおく。ざまぁ。

両耳を切り落とした後、首を落とす。

クソ外道にはあまりにも心地よい旅路だが、仕方がない。

 「殺すのは初めてか主。よくやったと誉めてやろう」

 征服王に褒められる。

 もう何かを我慢する必要はない。

 法律も殺してはいけないという聖言の教えも守る必要はなくなった。私は自由だ。

 征服王と供に残りの外道を救済していく。

 「俺様が征服王だ。転生する前に見て行け外道ども」

 「外道ども救済よ」

 外道どもに現世の終わりという幸福をもたらしていく。

 外道どもを全員救済すると、征服王が言う。

 「今からこの村はこの俺様征服王の領村となった。貴様達は俺様の民だ。

俺様に税を納め、俺様に守られろ」

 突然の支配宣言に村人も戸惑う。

今、この世界安寧に生きていくには統一帝国の支配下にいる事が一番確実だ。

私達家族も村人も今までそうして生きてきた。

「やってくれたじゃないかフェア。君が召喚した征服王と勝手にやったと言っても、僕達もただじゃすまないぞ」

"わくわく村長"の称号を持つ友達で村長のリスティが言う。

私は村の人達を巻き込んでしまったのだ。

村長の彼にも悪い事をした。地下室はリスティがいなければできなかった。

召喚の素材集めにも協力してくれた。召喚の勉強をしてる者を帝国に売れば

危険にも巻き込まれず報酬も貰えるのに、友達を帝国に売ろうとしなかったリスティ。

そんなリスティにまで迷惑をかけ、私がやった事を言われると愚かな事をしたのではないかと思うようになった。

私が悪いのだが辛かった。私はなんて軽率な事をしてしまったのか。

彼の言うように私がかってにやったことといってもすまないだろう。

私達家族だけ逃げるわけにもいかない。

先の戦いで征服王が30の兵を召喚できる事、彼の兵や征服王が強いのは分かったけれど

それだけで帝国軍と戦って勝てるわけがない。

 「ごめんなさい。村の皆を危険に巻き込んでしまったわ。謝って済む事じゃないけれど」

 「フェアちゃんがやらなかったら俺達がやってたよ」「ざまぁですっきりしたわ」

 「構いはしないさ」「私達は攻めてくるというなら帝国軍とも戦うぞ」

 「フェアちゃんは何も悪くない。悪いのはデイジーちゃんを連れて行こうとしたりパオロ親方を刺した帝国軍だ」

村の人達がかばってくれるが、私の勝手な行動で村の人達を危険に巻き込んだのは変わらない。

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