第2話 外道には死と情けという救済を。外道にざまぁ断罪処刑。それが救済。慈愛に満ち溢れる私マジパネェ

 「私が10歳の少女には見えないと」

 まだお母様がそんな事をやっているのでこの場はお母様に任せて私は地下室に入る。

 きっと時間を稼いでくれるためにあの年にもなって10歳の少女に見えないとなんて正気の沙汰ではない

と思える事を言ってるのだろう。

いや、本気で言ってるのかもしれない。物心ついた時からお母様は自分を若く見ていた。

 王召喚なんてして帝国に気づかれてはいけないから今まで実際に召喚した事はなかったけれど

召喚の勉強と訓練はしてきた。

 もう帝国にこそこそ隠れる必要もない。ならやってやる。もう我慢する必要なんてないのだから。

 素材の準備もすでに終わっている。こんな時のためにいつでも召喚できるようにしておいたのだから。

 「王召喚」

 地下室が光で溢れ、金髪碧眼の鎧を来た騎士のような外見の男性が現れた。

大量の魔力が周囲に行きわたる。

 外から先ほどより激しい声が聞こえる。

こんな距離で王召喚なんてしたのだから気づかないわけがない。

 もう引き返す事はできない。帝国を敵にしてでも自称病弱な妹を渡すわけにはいかない。

 「貴様が俺の主のようだな。この土地を征服していいか」

 「征服じゃなくて外にいる軍人達から妹を守って頂戴」

 「しかしだな。俺様は征服王だ。征服できないのならば能力も最大限に発揮できない。というより征服以外やる気でない」

 「この村を征服していいから妹を助けて。10歳の私に似た少女よ。」

 「その言葉を待っていたぞ主」

 いい顔で言うんじゃないわよ。後でしばいてやろうかしら。

 地下を出る征服王の後を追う。

 召喚対象は召喚主の近くにいる方が能力を高められる。

だから召喚士は身を守る程度には接近戦も魔法の訓練もしておくものだ。

私もそのために今日まで剣と魔法の訓練もしてきた。

 外に出ると両親と村の皆が帝国軍に抵抗してくれていた。

 「出て行け。お前等に村人を引き渡すつもりはない」「デイジーちゃんを連れて行くというのなら私達も戦うぞ」

 「ええい離せ。少し痛い目に合わないと分からないか」

帝国兵が大工のパオロ親方の足に剣を刺す。

 「親方ー」「てめぇ親方に何しやがんだ」「もう我慢できねぇ。やるぜ」

 「止めろ。お前等。ちょっと足を刺されただけだ。大工道具や農具包丁で戦って勝てるわけないだろ」

 パオロ親方が今にも大工道具のハンマーを振り下ろしそうな若い弟子達を制止する。

 「せやかておやっさん」

 帝国領土の一般人は武器を持っていない。武器の所持を禁止されている。武器も持たぬ一般人のパオロ親方を刺すなんて。

地下室を作る際にアドバイスもしてくれた。地下室の事を誰にも言わずに黙っていてくれたパオロ親方を。

酔うとべたべたしてきてうっとおしいし加齢臭と酒臭さで匂いがやばすぎるし。

『ダリアさん若いよな。好みなんだよな俺の。ただ年齢が若いってだけじゃなくてよぉ、実年齢より若くてさ、

それでいて本人が若作りしてたり自覚年齢が若すぎる所とかさ。本当俺の好みでさ。いやロリババァはまったく違うんだな。

あれはまったくファンタジーだろ。俺ロリコンじゃないし。エロ漫画のそれその年齢設定必要か。その見た目なら若い子でいいじゃんっての

方が俺の好みでさ。見た目年齢25は行ってるぐらいがいいな。いやあれもファンタジーなんだけどあれは良くてさ。でも"こんなおばさんに"ってそれは違うんだよ。

まだまだ行けるでしょって生娘みたいな恰好したりさそれは好きなんだよな。ミルクが良いかな。永遠少女はまったく違うわ。

少女ってなると違うんだよなぁ。稼いだ金でたまに街まで行ってさ、自前で持っていた生娘が着るような服を着てもらうんだよ。別料金かかるけど。それがよくてさ---』

とか分け分からない気持ち悪い話延々話し続けるし、なんなのよロリババァって。

 そんな気持ち悪いしうっとおしい所もあるパオロ親方を。あいつ等は刺しやがった。

 涙が溢れ、怒りがこみあげてくる。

 外道に情けは必要か。必要でなくても情けをかけてやろう。外道には死という情けと救済を。

これ以上魂が汚れる前に現世を終わらしてやろう。

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