From She(C) to He(H)!!

黒猫B

第1話 プロローグ-H

晴れやかに澄み渡る春空が、旅立ちの日を祝福しているかのようだった。

3月20日の今日は、中学の卒業式の日だった。


卒業生である俺は、体育館の中央のパイプ椅子に静かに座っていた。


壇上で祝辞を述べている校長を見つめながら、膝の上に置いた握りこぶしにぎゅっと力を入れる。

俺にはやり残したことがあった。


それは…ある女の子を見つけ出すこと。

この3年間、俺を助け続けてくれた女の子。

名も知らぬ彼女を俺は探し続けた。


しかし、ついに彼女を見つけることはできなかった。


目の前を見つめながら、俺は考えていた。


彼女は今、どこにいるのだろうか、と。

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