第19話 まるで別人じゃない
コンコン
「おにーちゃーん、ご飯できたけど起きてる?」
「ん?・・・ああ、起きてるぞ」
「涼音ちゃんがご飯の準備してるから、下に降りてきてくれる?」
「そうか、わかった」
もうそんな時間か、いろいろ考え事してたらあっという間に時間が経ってたみたいだな。涼音一人に準備させてるのも悪いし早く行ってやらないとな
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《姉の心中》
「あ、お兄ちゃん降りてきた」
爽侍のやつやっと起きてきたのね?
「おう、もうできたのか?」
「あ、爽侍くん今運んだりしているところだから手伝ってくれる?」
「ああもちろんだ、手伝うよ涼音」
「へ?」
「は?」
「え?」
ちょっと・・・今何が起きたの?爽侍のやつが家族以外の女の子を下の名前で呼んだ気がしたんだけど。・・・気のせいよね、あのこがそんなジゴロみたいなこと・・・
「ちょっと爽侍くん人前では・・・・」
「ん?なんだだめだったのか?別に家族なんだしいいだろ?それに俺が呼びたかったから呼んだんだし」
「はうっ・・・」
気のせいじゃなかったわーー‼︎・・・一体何よあれ、何?何か変なものでも食べたりしたのかしら。それにしてもあんな甘々なセリフを吐く奴が現実にいるなんて・・・しかも涼音ちゃんも『はうっ』って何よ、そんなこと口にするやつなんていないわよっ
「ちょっと爽侍どうしちゃったの?なんか変よ今日のあんた」
「そうだよお兄ちゃん、いつもは『かったりーなー』とか言いながら嫌々やってたのに」
「んー、そんなに変か?涼音はどうだ?俺なんか変かな」
「へ?い、いや変って言われれば変なんだけど・・・そのままでもいいかな・・・・」
あ、もしかして涼音ちゃんはあんな感じの男が好きなのかしら。なんか今まで見たことないくらいデレッデレした顔してるんだけど、あんなのあの子のファンが見たりしたら卒倒するわよ
「ほら、涼音はそのままでいいて言ってるぞ?」
「ん?んー、まー直接生活に支障があるってわけじゃないしそのままでいいんじゃない?」
「んーー?」
「ほら、もういいから朝ご飯の準備の続きするぞ凛」
「へ?・・・う、うん」
「まったく・・・何があったか知らないけど、爽侍が急に超ジゴロにジョブチェンジしてるんですけど・・・」
「姉ちゃんも変なこと言ってないで、今日も撮影あるんでしょ?姉ちゃんのだけ先に準備しといたから・・・・・」
キュンッ
い、いや《キュンッ》って何よ。もしかして私・・・・・て、あるわけないじゃない実の弟よ・・・・・・でも、悪くないかも。っって、そうじゃないでしょ‼︎ちょっとかっこいいけど私くらいはしっかりしないと・・・・
「へ?う、うんありがとう・・・・・本当にどうしちゃったのかしら(ボソッ)」
「ん?何かいった?」
「い、いやなんでもないわ。ありがとう」
「どういたしましてっ」
何、何あの笑顔・・・反則よっ、あんなのたとえ身内でもなんか・・・きちゃうわよ。本当に大丈夫なのかしら、あの調子で行ったら爽侍自身は大丈夫でも周りの子たちが・・・
「よし、みんなの分も準備できたし食べちゃおうか」
「は、はい手伝っていただいてありがとうございました」
「いや、涼音だけに働かせるわけにはいかないからね。いくら居候でも、まだ引っ越してきたばっかりなんだから」
「ひゃ、ひゃい・・・」
うわ、何あのキメ顔・・・外から見てるとだいぶやばいわね
「お兄ちゃん本当に大丈夫?」
「なんだ?そんなにお兄ちゃんを心配してくれるのか?まったく凛は優しいな」
「へ?・・・・・・」
やだ、凛ったら固まっちゃったわ。普通あんなこと男から言われることなんてないし・・・しょうがないわよ
「うん、やっぱり二人共料理うまいな。いつもありがとう」
「う、うん今日も・・う、うまくできて・・よ、よかったわ」
「そ、そうだね・・本当に・・よ、よかったよ」
ちょっと二人とも全然口に入ってないわよ?もうあれは重症ね
「じゃあ、そろそろ時間だし学校行こうか」
「そ、そうね。今日はちょっと早いけどもうそろそろ家を出ましょうか」
「じゃあ、お姉ちゃんも頑張って」」
「う、うん・・・行ってらっしゃい」
「「行ってきまーす」」
ガチャン
「やっと言ったわね・・・」
「ちょっとちょっとお姉ちゃん、なんなのあのお兄ちゃん・・・どうしちゃったの?」
「私もわからないわ、でも・・・」
「でも?」
「今日は何かが、起こりそうって事だけはなんとなくわかるわ」
涼音ちゃん、気を確かに・・・じゃないとあっという間にやられちゃうわよ。
【あとがき】
爽侍エンジン始動、一体彼のフルパワーを止められる者は現れるのか・・・
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