第7話 えへへ、、まぁそうゆうこともありますよね汗

「すけべだぁー!」

「すけべー!」

私、次女は母と2人で笑った。


「叫べって言ってるやん!!」

兄がムスッとした顔をして言う。兄が好きな曲を私と母に聞かせてくれた。しかしその歌の中にある“叫べー!”という歌詞がどうしてもすけべといってるように聞こえるのだ。


キャッキャと笑っていると兄が怒ってすぐ側にあったみかんの周りについてるプラスチックのやつ(多分ゴンってしても傷つかないようにするやつ、、わかる?)を「うぉぉぉっ!」といってやぶいた。もちろん笑っているので、本気で怒っている訳では無い。


「あっ、、」

母親が焦った顔をした。

「それ次女がお昼に作ってたアンコウくんじゃない、、?」

「…え?」

兄は焦った顔をした。


…ん?あ、ん、こ、う、く、ん、、?


チョウチンアンコウくん!ただみかんのまわりについてるやつがたまたまちぎれて、それがチョウチンアンコウみたいって夕方に母と話してただけのやつで、なんならさっきまですっかり忘れてた存在だが、無くなったと思うと急に悲しみとともに涙が、、

「うわぁぁぁぁん」

私が泣き始めると兄はオロオロし始めた。

「ごめんね?ごめん。大事だって知らなくて、、」


「うわぁぁぁぁん」

兄は知らなかったのだからしょうがない。それは分かってても私は泣き止めなかった。


「うわぁぁぁぁぁぁん」

私が泣き始めて2、3分がたっただろうか。


「あれ?これがマンボウくんじゃない、、?ほら!ここちぎれてるし。」

母が言った。


…ん?

「え?」

兄はびっくり。私もびっくり。びっくりして私の涙は止まった。


「ほらー!これじゃない?やっぱこっちだよ本物は!」

母がみせてくる。私はさっきまで泣いてたことが少し恥ずかしくなった。勘違いだったなんて、、


兄は違ったとわかってからニヤニヤしながら私を見てくる。

「違ったって!これチョウチンアンコウくんじゃないってさ。」

兄が先程自分が引きちぎった残骸を見せてくる。


「…し、しってたよ?」

私は咄嗟にそう答えた。


「知ってたの?!」

「うん。別に違うって分かってたし!」




その様子の一部始終を見ていた姉がぼそっと言った。



「じゃあ、なんであんな泣いてん。」




いやそれはほんとにそう。ごめんやん。

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