コロナ禍 イソジンパニック2
なんとかまだ人はまばらにいるものの、売り場が落ち着いたためレジへとはいると、今度はレジが地獄となっていました。
並ぶ客はイソジンやらうがい薬やらのどスプレーを手にし、個数制限前に手にしたのか、いくつも持っているお客さんもちらほら。
しかしここで買わせてしまうと、あの客はあんなに買えてどうしてこっちは一個しか買えないの?といわれてしまう可能性が特大。
そのため、個数制限前に手にしたとしても、お会計時に差し止めさせてもらいました。
えぇ、もちろん、すごい怒られました。
嫌みのオンパレードです。
「並んでる間に個数制限をかけるなんてどうかしている」
「私が来たときは個数制限なんてなかったわ。なんで買えないのよ!?」
「レジで待たされた挙げ句に買えないなんてなんなんだ。」
耳を塞ぎたくなるような言葉はもちろん、文句や小言が、客が変わるごとに放たれる。30分以上ちんたら垂れ流し状態で聞かされる始末です。
中にはわがままを言って買おうとしたり、長々と小言を言われ続けるものもありました。ここに書くにたらないけれど、悪意と怒りに満ちた一言一言は確実に私たちの心を抉りとっていきました。
ものすごくかわいそうだったのが、その時レジに入ってくれていたのが若い女の子で、クレームになれていない子だったこと。
そのため、レジ中ずっと辛そうな顔をしていました。私も辛いですが、まだ慣れというものがあります。しかし この地獄に何の耐性もない子をレジにたたせてしまったのは、正直申し訳なかったです。
ようやく客足が収まって一段落ついた頃には、なんとも言えない疲労感でため息が何度もこぼれました。
どうしてこんなに、心をすり減らして仕事しないといけないのだろうか。
なんであんなことまで、言われないといけないのか。
やり場のない複雑な気持ちが重い体に乗っかって離れませんでした。
その後何度かお客様がいらっしゃいましたが、そもそも在庫がないのでマスクの時同様ないの一点張り。お客さんもすぐに諦めてくれました。
その日帰ったあとは本当に死んだように眠りにつきました。
肉体的な疲労より、精神的な疲労が体の機能を停止させたからです。
お願いですから皆さん、情報に踊らされないでください。そして店に来たら、従業員の指示に従ってください。
知らずに個数制限を守ってなければ、言い訳せずにあぁそうなの?くらいで諦めてください。
別に恥ずかしいことでも、ルールを守らない卑しい人だなんて思いませんから。言い訳する方がよっぽど卑しく見えます。間違っていたらごめんなさいねぇ、でいいじゃないですか。
ほんとすこしでいいので、もう少し店員に優しくなってほしいです。そして、客が一番だ、なんて考えてる人が少しでも減りますように。
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