俺の友達 ・ 結婚
「なあ、今日外食しないか?」
「珍しい、いいよ」
「なに食べたい?」
「う〜ん、やっぱお肉?」
「そうだな」
こうして大学の帰る道、外食に行くことになった。
俺たちは月に一度外食に行くのだが、俺から提案することはあんまりないのだ。みなの気分で外食に行くことがほとんどだ。
それも、俺は外食より、みなのご飯が食べたい派だからである。
車で
注文するものもお互いなにが好きなのか知っているためすぐに注文する。長い付きあいだからだ。
「カルビ3人前、タン2人前、ロース1人前、サラダ2つ、ライス大1つ、中1つお願いします」
注文を終え、今日の大学での話になる。
「累たち今喧嘩中らしいな」
「そういえば、優衣も言っていたよ」
「まあ、あれはしょうがないのか?」
「そうよね」
そう言い、お互い苦笑する。かわいい喧嘩だなと思った。
累たちも同棲をしていて、一緒に寝ているわけだが、累が寝ている途中に変な夢を見て、腕を広げたら思いっきり優衣さんのことを殴ってしまったらしい。それもかなりの勢いで。
痣はできなったがとても痛かったらしく、謝っても『わかった、わかった』と、返されて少し不機嫌の状況だったらしい。
その不機嫌の状態はまだよかったのだ。その夜が悪かったらしい。累はおそらくあれだと言っていた。
それは——フェラ○オをしていて口の中に出しちゃったというものだった。優衣は、大大大っ嫌いらしく、いつもは出す時ティッシュに出すのだが、口に出してしまったと言う。
その時、思いっきりビンタをされたらしい。それも何回も。相当切れていただろう。
「優衣今日ほんと機嫌悪かったよ」
「どんな感じだったんだ?」
「え、もうなんだろう。たぶん、ずっと一緒にいるうちだから分かると思うけど、とにかくあれは今までで一番ぐらいやばかった」
「そ、そんなか……」
なんか怖い。
今日の累を思い出してしまう。まじで今までで一番考えているように思えた。昼ごはんもなにも食べずに、ずっと黙って考えていた。お弁当を作ってもらえなかったのだろう。
そしてようやく口を開いたと思ったら「やばい、ほんとにやばい」の連呼。相
当焦っていたらしく、なにがあったのか訊いたら話してくれた。
その時の表情も今までで一番険しかった。
「仲直りできるかな」
「あいつらは別れないだろ」
「そうだね」
累たちの仲の良さは知っている。
——人との別れはタイミングだと思う。
お互いが別れの時だろうと感じ話さなくなるのだ。さっき「別れないだろ」と思ったのは、累の口から「別れないのかな」など弱気の発言がなかったからだ。
喧嘩をして、反省するのか、彼女に喜んでもらいたい、かっこいいところを見せたい、と思うのが男だ。累は喜ばせたい、幸せにしたい、と思う方なので反省し改善しようと思っている。
付き合う関係でここはとても大事だと思う。
「まあ、俺たちも別れないけどな。結婚だってね……」
ちょっと最後の方うまく声が出せなかった。
「考えてくれてたの⁈」
「あ、ま、まあ……」
「そ、そう……。やっぱり嬉しいな……」
どうやら聞こえてたらしいけど変に思われなくってよかった思いほっとする。
人は普通、告白して成功する自信がないと思いを伝えられなかったりする生き物だ。
その中でも、もし振られたらどうしようなどを考えてしまい、それで終わってしまうのも多いだろう。そして思うのだ。告白しておけばよかったと。
でも、結婚と付き合うのとの違いは誓うかどうか、愛を尽くすかそうかそれが約束され、さらに距離が縮まるのではないかと思う。
そして——俺は誓える。
言ってもいいんじゃないか。
みなは誓ってくてるのだろうか。そう考える時点で自信がないのだと思い知らされる。
でも——言わないでいつ言う? もっと自信がつくまで待つ?
そんなのが一番いけないことだ。そこで止まってなにもできずに終わる。これが待ち構えている未来だ。
たとえ、今は考えてないと言われても俺らの関係が簡単に変わるはずはないと、そこは断言できる。
そうだ言うべきだ——
「「そろそろ結婚とか考えてない……」」
かぶった⁉︎ まさかの⁈ みなも考えていてくれてたのか……?
そして家に帰り、セッ○スをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます