第78話 二人、真に師弟となる
雨降って地固まるという故事がある、今まさにそれだったのだが――。
「よし、妲己を追いかけるわ。三人じゃ不安――」
二人で妲己たちを追い掛けようとした時だ。
「叔母上ッ、アイシャ!」
フェイたちだ、兵士を数名引き連れている。向こうもキョンシーを一掃できたらしい。
「みんな、妲己たちが奥に!」
京はフェイと一緒に追い掛けようというのだが、フェイは首を横に振り、
「なんと……! しかし叔母上の気持ちはわかりますが、兵がキョンシーの襲撃で疲弊しています。それに兵士がいては三人で突破できるほど甘くはない……」
遭遇し撃退こそしたが、どうやら不帰の森は絡繰兵だけではなく熟練の兵士も配置されているようだ。
功夫遣い三人だけで突破するなど無謀の極みでしかない。
「都から陣の部隊や参謀が向かっているとの報せがあった、じきに到着するだろう。彼らの合流を優先する……!」
フェイとしては言いたくなかった事だろう、しかしフェイは帝であり軍の司令官でもある。個を取るという事はできない。
「……!」
「師範……」
唇を噛み締める京にアイシャが寄り添うのだが、京は涙を呑んでフェイの提案を飲むしかなかった。
「……わかった」
殷と周との戦争から続く因縁をめぐる戦いの最終局面は、近い――。
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