お隣のヒキニートの更正のしつけ方

高月夢叶

第1話 あの日の約束と二人の夢

大人になったら、一緒に本を出そう!


そして、夢が叶ったら-


いつも、ここで、夢から覚める。


俺は、子どもの頃に、ある女の子と、将来、大人になったら、一緒に本を出そうと、約束を交わした。


その約束の続きがあった気がするけど、全く思い出せない。



思い出せないとゆうことは、きっと、大したことはないものなんだと勝手に決めつけている。



高校生になった俺は、小説家になったか?と聞かれれば、NOと応えるしかない。現在は、趣味で

WEB小説を投稿する毎日を送っている。



そこには、小説家に成る為とかそういったことがあるわけではない。



只、書きたいから書いているだけ。


そんな何となくの毎日を送っていた。



そう、アイツと出会うまでは。





高2の春。進級らは、1年の時のクラスメイトとは違うクラスになり過去の中二病ブラックヒストリーを知る者は居なく周囲はオレのことは平凡な高校生と思っているに違いない。


平凡こそ、最高だ!



一年前の春。都心の高校に通う為、田舎から都心へと越してきた。通うことになったのは、万代第二高校。

専門コースで芸術コースと文芸コースに別れている。


特待生となった生徒はA組(特待生クラス)に在籍してこの2つのコースを選べる受験時に上位24位に入った生徒は

特待生クラスのA組にに振り分けられる。


その他の生徒はB組は入試で平均的な成績を修めた者とC組は最底辺の入試成績の者にや難ありの生徒で振り分けられる。


この学校は、入学当時から優等生と劣等生に分けられる。



1年間で輝かしい成績を残した者は

A組に昇格できる昇格制度もある。


逆に、下位な者は校長権限で、うちの学園に必要ないと判断されて落第となる。


皆、こぞってA組に上がる為に競い合う。



高校一年の頃は、中学生から発症した中二病がまだ、猛威を降るっていて、クラス内での初の顔合わせの自己紹介で

盛大に中二病を暴発してしまった。



以後、クラス内で浮いた存在になってしまったことから、これではいけないと気付き、1年掛けてようやく平凡な真人間に修正出来たと思う。







2年から余計に面倒になった授業を終わらせて放課後。







帰宅して執筆活動をしたいところだけどそうしようとしたとこで、生活指導の先生に呼び出しを食らってしまった。


えっ!?オレ何かやらかしたっけ?


多少、焦りながら、生活指導教室の塚本先生の元へと向かう。


「失礼します。」

そう扉をノックして部屋の中に入るとそこには黒髪ロングヘアーの凜とした佇まいのクールビューティーな女性が鋭い眼光でパソコンと睨めっこをしていた。



「おっ、来たか藤也。」


「いいか、お前に折り入って頼みたいことがある。」


「なんですか、頼みって。オレはてっきり、何かをやらかして呼び出しを食らったのかと思いましたよ。」


「違うんですか?」


「違うな。これは、心優しい君へのお願いなのだが聞いてくれるか?」


「いや、頼まれる内容にもよりますが。」


「それは、一年前から不登校を継続している生徒が居るんだ

A組の芸術コースの特待生として

編入している。」


日本でイラストレーターとして活動出来ていればそれでいい。イラストレーターとして活動する為に高校に在籍さえすれば学校に通うことなく不登校になっているんだ」


「そうなんですか。大変ですね。」


「それが、ここからが重要なんだ。校長から直々に、特待生として入っても半年も不登校でいるようなら、留年なんて、生温い!

どうせまた、同じことを繰り返すのなら、うちの学校には要らないとゆうことで彼女の不登校を解消しなければ、柚木さんは、即、退学を言い渡される結果となっている。」

が、それが君が住んでいるマンションの住人なんだ。」


「は、はぁ、そうなんですか。」

はっきり言って興味ない。


「それも、君の部屋の隣ときている。」


「はい......」


まさかとは思うけど、この言葉の続きは、オレに何を期待しているとゆうのだろう。

面倒くさいことに、巻き込まないで欲しい。



「その生徒も今年から二年に上がり藤也と同じクラスになったんだ。」


「そういえば、春に転校生してきたっきり、顔を見ない生徒が居たような。その子か!」


「そこでだ!お隣さんとゆうよしみで彼女の登校を促してくれはしないか!」



「えっ、えー!」

やっぱり、そうゆう流れになるのかー!



「なに、そう嫌がるな。聞いて喜べ、彼女はなかなかの美少女だぞ。」



とニヤケ顔で誘惑してくる。

「そんな、いくら相手が美少女だからって、受けないものは受けませんよ!」


オレは、思いっきり嫌な顔をして突っぱねる。



「名前は、柚木ゆずき唯衣ゆいとゆうのだが、大人しくて良い子だぞー。」



「これが、写真だ。」


そう言い一枚の写真をテーブルに差し出される。


「っ......」



それを見て驚愕した。淡い栗色のロングヘアーで琥珀色の瞳。屈託のない笑顔からは彼女のいかにも人当たりの良さそうな印象が伝わってくる。



なんで、こんな誰とでも仲良くなれそうな子が引きこもりをやっているんだろう?


「か、可愛いですね。だけどオレには無理です。」


可愛いだけで引き受けられるほどオレの許容は広くない。




「ふーん、そんなことを言ってもいいのかなー。」

塚本先生は、意味深な感じで言ってくる。


「なっ、それはどうゆう意味ですか?」



「君は確か、成績は良いほうではなかったよな。」


「そ、そうですけど、それがなにか?」



「そこでどうだ?この依頼を受けてくれたら内申書に多少の色を付けて評価してやらんでもないが。」


「仲間思いの面倒見の良い奴と評価しておくぞー。」



「さあ、どうする?」


「くそー、足下を見てからに......」


俺の成績はとても良いとは言えない。 現国と古文は平均点以上とそこそこの成績だが、その他の科目が宜しくない。


こんな成績で一般入試での進学は正直、難しい。ここは、推薦入試を視野に入れるべく、内申点は喉から手が出るくらい欲しい。



「仕方ないなー。今回だけですからね。」


「一度は交渉に行ってみますけどお手上げで手に負えないようならオレは手を引きますから。」


オレはそう言い渋々、いや。内申点に惹かれて塚本先生から

不登校になって半年が経過して退学になる前に彼女を学校に登校させて欲しいと不登校児の更生に導く依頼をを生活指導の塚本先生か頼まれたのだった。


***


翌日、登校前に、昨日の放課後に塚本先生に頼まれたことでお隣の208号室の扉の前へと来ていた。



インターホンをどのタイミングで鳴らしたらよいものかと迷わせる。


女性宅のピンポンを鳴らしたことの無いオレはこの時点で緊張で心臓がバクバクでもう一層、逃げ出したい気持ちで一杯だった。




ふと急に、鼻がむずむずしてハクションと、くしゃみをしてしまう。その拍子に、インタみでピンポンを押してしまう。


しまった!と思ったときには時既に遅く、ピンポンダッシュをするのが遅れてしまい、インターホンから「は~い、いまいきまぁ~す」


と気の抜けたサイダーのような、朗らかで柔和な返事が返ってくる。



ガチャリと扉が開く。部屋の中では、ピンクのチェックパジャマ上下の部屋着を着た美少女が出迎えてくれた。


なんとゆうか、妹以外の女の子のパジャマ姿を見るのは、初めてで、ドキドキしてしまう。ピンク色のチェック柄が、しと やかと清楚な感じを かもし出してどこか子供っぽくて可愛らしい。



柔和な朗らかな印象を受け、


自然と胸元に目がいき、その二つの誇張された膨らみに、高校生にしては、大きいよな。と思い、思わず数秒間、見惚れてしまった。



「えーと、どちら様ですか?」

彼女は、初めて見る人物を差して警戒するでもなく尋ねる。


「えーっと、初めましてお隣の藤也瀬翔です。」


と当たり障り無い初対面での挨拶を交わす。でも、ここからが一番重要だったりする。




向こうも「はじめましてぇ~」とれたとこで本題へと移る。


「良い天気ですねー、っこんなに良い天気だと外の空気が吸いたいですね-。」




「そうですねー。わたしもベランダで外の空気を吸うのは好きですよぉ~」



「あの、束のことを伺いますが、学生の方ですよね?」


「こんな時間にまだパジャマ姿って大丈夫なんですか?学校に遅刻しますよ。」



「もし、良ければオレと一緒に学校へ行きませんか?」


彼女は一瞬、困ったような顔をしてから、「でも、あなたとわたしじゃあ、通う学校が違うんじゃ......」

といきなり、初対面の男からの申し出に一瞬、彼女の表情が曇る。

「あっ、そこは大丈夫です実は俺と君は同じ学校でこの春から同じクラスなんです。さあ、一緒に学校に、」


慌てて俺は、彼女に手をさし伸ばす。


「行かないよ。」


だけど、彼女からあっさり拒否されてしまい、俺の右手は、空を彷徨う。



「そうゆうの結構ですから。」さっきまでの柔和な感じから一変、冷ややかな態度でそう言い突き放された。そう拒むように扉が締まっていく。


オレは、そうはさせないと足で扉が閉まるのを防ぐ。


「なっなにをするんですか!?離してください!」


「人を呼びますよ!」



「強引に押し入るとか何をするつもりですか!」

「へ、変態!」


そう恐怖に顔を歪める彼女はポケットをまさぐると何かを取り出す。



「なにかあったときの為にぼ、防犯ブザーだって持ってるんですよ。」



「いくら登校を促しても無理なものは無理なんです!」いいから、もう帰って!」



「わかったよ、強引にどうこうするつもりはないから。」


「今日のところは引き下がるよ。」



そう言い足の力を緩める。


「わかってくれたなら、それでいいです。」


「次に、無理矢理連れだそうとしたら、

その時は鳴らしますからね!」

と紐を引く構えをする。


「ひぃ!!」


社会的に終わりを宣告されて思わず身震いしてしまった。マジな目だったよ今の。



こうして、俺と柚木の出会いは

最悪なもので幕を閉じるのだった。


***

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