にほん下ネタむかしばなし ~タマたろう~
@dekai3
タマたろう
むかしむかし、ある秘所に、おねえさんと元おにいさんのおねえさんが住んでいました。
二人はとてもなかムフフまじく暮らしていて、若いときはそれはもう『
ある日、二人はいつものようにおねえさんが川へ洗濯に、元おにいさんのおねえさんが山で柴刈りに行ったところ、おねえさんが川の上流から大きな何かがながれて来るのを見付けました。
――ちんぽろり~ ちんぽろり~
それは、とても大きな竿付きの玉でした。
おねえさんは大きな竿付きの玉が流れてきた事にびっくりしましたが、直ぐにそれがなんなのかを理解するとうっとりとした目で玉を見つめ、今晩の元おにいさんのおねえさんとのプレイに使おうと拾って帰ったのでした。
そして夜になり、元おにいさんのおねえさんが柴刈りから帰ってきました。
「我が君よ、今帰った」
「ええ、お帰りなさい。私の魂の片割れ」
二人はとても耽美でした。
帰ってきた元おにいさんのおねえさんは、机の上に置かれた大きな竿付きの玉を見てびっくりします
「我が君よ、これはなんだい? まるで私が過去に離別した私自身の一部とそっくりではないか」
「ふふ、余りにも過去の貴女の物に似ていたので持って来てしまったわ」
「やれやれ、怪しい物は拾ってこないでくれといつも言っているのに…」
元おにいさんのおねえさんはおねえさんの事を心配しつつも、大きな竿付きの玉が気になって仕方ないのか微笑を浮かべながら大きな玉つきの竿に近付き、愛おしそうにぐにぐにと撫でました。
ムクムクー
すると、急に竿付きの玉が膨れ上がりました。
「な、なんだ? 勃ち上がったぞ!?」
「まあ、とても立派ですわね」
慌てる元おにいさんのおねえさんと、のんきに手を合わせて驚きながら膨れ上がった竿付きの玉を見るおねえさん。
何を隠そう、おねえさんはシリコン製やゴム製の竿を集めるのが趣味で、それで毎晩元おにいさんのおねえさんを鳴かせているのです。
ムクムクムクー
おねえさんが竿付きの玉の膨張機能と元おにいさんのおねえさんの収納空間の広さを計算しているあいだにも竿付きの玉はどんどん大きくなっていき、ビキビキ として痛々しささえ感じる大きさになで膨れ上がりました。
「我が君よ、私の後ろに!」
「あらあら、あんなに赤黒くなってしまって…うふふ」
元おにいさんのおねえさんがおねえさんの前に立ち、膨れ上がった竿付きの玉から守ろうとしたその時、
バチン!! オギャー! オギャー! オギャー! オギャー!
なんと、ゴムがちぎれたかのような音をたてて竿付きの玉が割れ、中から赤ん坊が飛び出してきたのです。
「まあ、赤ちゃん」
「我が君、迂闊に近寄っては…」
「ほーらほら、泣き止むんですよー」
オギャー! オギャー! バブブ…
元おにいさんのおねえさんはこの赤ん坊の事を危ないものではないかとあやしんでいましたが、おねえさんが幸せそうに赤ん坊を抱いているのを見て、もしかしたら子を作らなかった自分たちのために神様がくれたおくり物じゃないのかと思いました。
そして、二人はこの赤ん坊を竿付きの玉から産まれたので『たまたろう』と名付け、残りの余生をかけて育てていく事にきめたのです。
数年後。
「お母さん、ママ、私は鬼退治の旅に出かけます」
タマたろうはすくすくと成長し、数年で立派な青年になりました。
肌はとてもみずみずしく、体つきはきゃしゃに見えても筋肉が付いており、顔つきは十人の人が半分は美少女、半分はイケメンだと思う顔つきです。
「そうか…寂しくなるな…」
「夕ご飯までには帰ってくるんですよ?」
この辺りを荒らしている鬼を退治しに行くと言ったタマたろうに、元おにいさんのおねえさんは昔使っていた刀やよろいを、おねえさんはフリフリのミニスカゴス浴衣を渡しました。
どちらもそれぞれが若いころに使っていた逸品です。
「ありがとうございますお母さん、ママ。必ずや鬼を倒して帰ってきます 」
タマたろうは二人からのせん別を身に付け、フリフリのミニスカゴス浴衣侍という新しいジャンルを開拓しつつ旅立ちました。
タマたろうが旅をしていると、道の片隅に一匹の犬が寝そべっていました。白い毛並のりりしい犬です。
タマたろうはこんな所に寝そべっている犬の事が気になり、近付いて尋ねました。
「犬さん、そんなところで寝そべってどうしたんですか?」
すると、犬は元気の無い声でこたえました。
「おなかが空いて動くことが出来ないのです。もう三日も何も食べていません」
犬は空ふくで動けない事を説明します。
どうやらこの辺りの食べ物はぜんぶ鬼が持って行ってしまうようで、まともな食事が出来ないのだそうです。
「なんとも大変なことだ…早く鬼を退治しないと…」
タマたろうは鬼のしょぎょうを聞き、ますます鬼を退治する意欲をわかせました。おなかが減ってひもじい思いをするのはとてもつらいのです。
「なんと、あなたは鬼を退治しに行かれるおつもりなのですか?」
「ええ、そうです。悪い鬼を退治しに行くのです」
「おなかが空いていなかったらお供をしたというのに…ああ、空ふくがつらい…」
犬はタマたろうの旅の目的を聞いて感動し、タマたろうの助けになりたいと思ったのですが、三日も何も食べていないのでそれどころではありません。
タマたろうも何か食べる物があれば分け与えたいのですが、元おにいさんのおねえさんとおねえさんの元を出るときにお弁当も何も持たずに出てきたので、食べる物を持っていないのです。
しかし、犬はクンクンと鼻をうごかし、ある事に気付きます。
「クンクン、クンクン、あなたの股から良い匂いがしますよ、クンクン、クンクン」
そう言いながら犬はタマたろうのミニスカに顔をつっこみ、においをかぎます。
「ひゃあ! 犬さん、そんな所をかがないでください!」
タマたろうは思わず股間をおさえてうずくまりますが、犬はそれでもミニスカから頭を出しません。それどころか、さらに奥へと顔をおしこみます。
「なんだ、こんな所にお団子があるじゃないですか。タマたろうさん。お腰に付けたタマ団子、お一つわたしにいただけませんか?」
「犬さん、これは団子ではなく…」
「いただきます!」
犬はタマたろうのせいしの声を聞かず、大きな口を開けます。
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
タマたろうの団子が犬に食べられました。
犬はもっちもっちと団子をおいしそうに食べています。
「なんておいしいお団子なんだ! 見てくださいタマたろうさん。こんなに元気になりました!」
団子を食べ終わった犬はタマたろうの周りをまるで風のように駆けめぐります。
タマたろうは自分の団子を食べられてしまった痛みとショックで気を失いそうでしたが、ある事に気づきます。
「あ、あれ? 団子がまだある?」
なんと、犬に食べられたはずのタマ団子が付いているのです。
痛みとそうしつ感はちゃんとあったので、無くなったのは確かです。という事は、いったいどういう事でしょうか?
「まだあるじゃないですか。いただきます!」
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
タマたろうがミニスカの裾からタマ団子をブラブラさせているのを見た犬が、もう一度タマ団子を食べました。
「ひぃ、ひぃ…ううぅ…」
タマたろうは余りの痛みに股間をおさえてうずくまりますが、またしても股間にタマ団子が付いているのを感じて驚きます。
「も、もしかして…私がタマたろうだから…?」
そうです。
タマたろうはなんと、タマ団子が無限に生えてくるタマ人間だったのです。
「おかわりをいただきます!」
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
犬は更にタマたろうのタマ団子を食べました。それもタマ団子がふっかつする側から何度も。
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
「ふう、おなかいっぱいになりました。タマたろうさん、鬼退治のおともをさせて下さい!」
「ひっ、分かった! 分かったからもう食べないでぇ!!」
こうして、タマたろうの旅に犬がくわわりました。
そのご、しばらくして、
「おいしそうな団子じゃないか」
モギィ
「ギャーーーーーー!!!!」
犬と同じように、おなかを空かせていた猿をタマ団子でおともにし、
「こんなおいしいの初めてです!」
パクリ
「ギャーーーーーー!!!!」
更に、雉もタマ団子でおともにしました。
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
モギィ
「ギャーーーーーー!!!!」
パクリ
「ギャーーーーーー!!!!」
こうしてタマたろうは犬、猿、雉を引きつれ、とうとう鬼ヶ島の近くまでやってきたのです。
「あそこが鬼の住みかだな。みなさん、奇襲をかけますよ!」
タマたろうはおともの三匹に作戦の説明をしました。鬼たちが戦いの準備をする前に倒してしまおうというものです。
犬はタマたろうの作戦を聞くと、タマたろうのミニスカ浴衣に頭をつっこみながら言いました。
「では、戦いの前に力をつけましょう!」
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
続けて猿が、痛みでへたり込んだタマたろうの股に腕を入れながら言いました。
「腹が減ってはいくさは出来ぬと言うしな!」
モギィ
「ギャーーーーーー!!!!」
最後に雉が、ぴくぴくしているタマたろうの股をついばみながら言いました。
「ぜったいに勝ちましょう!」
パクリ
「ギャーーーーーー!!!!」
犬、猿、雉の三匹はタマ団子を食べた事で百人力となり、こっそりと鬼ヶ島にしのび込んではばったばったと鬼たちを倒していきます。
「どうだ、鬼どもめまいったか!」
「俺たちにはタマたろうが付いているぞ!」
「タマたろうのタマ団子は日本一!」
三匹の活躍により、みるみるうちに数を減らしていく鬼たち。
このままいけば鬼ヶ島の鬼を全員倒すことが出来るのではないかと思った時、鬼ヶ島の奥から一匹の小柄な鬼が現れました。
「ちょっと~、こんな雑魚を倒したていどで調子に乗らないでくれるぅ~?」
鬼ヶ島のくっきょうな鬼たちを従えるボスの、
「そ・れ・に~、バカなオスって私キライなのよね~」
「う」
「ぐ」
「ぎ」
「ふっふぅ~ん。これだから調子に乗るオスは惨めなのよねぇ~。さっきまでの行き王はどうしたのぉ~? はずかしくないのぉ~?」
どんな成人男性も、
しかし、そんな
「私のおともをぶじょくするな!」
ズバァン!
「キャア!!?」
タマたろうです。タマたろうが刀で
「そんな…わたしの術が効かないなんて…あなた、成人男性じゃないの?」
タマたろうはフリフリのミニスカゴス浴衣侍という新しいジャンルの恰好をしていますが、れっきとした成人男性です。しかし、鬼ヶ島にたどり着くまでの間に何回もタマ団子を食べられた為、男性ホルモンの分泌が減ってしまって肉体が女性化したのです。
これでは
「これが私とおともの絆だ! 人々の恨みをくらうがいい!!」
ズバァン!!!
「キャーーーーーー!!!!」
タマたろうは
その後、タマたろう達は鬼ヶ島にあった金銀財宝や沢山の食べ物を手に入れ、人々に配って回りながら元おにいさんのおねえさんとおねえさんの元へと帰ったのです。
「お帰りタマたろう。少し見ないうちに立派になったな」
「あらあらまあまあ、かわいいワンちゃんとおさるさんととりさんですね」
そして、いつまでも末永く三人と三匹で仲良くくらしたそうです。
ガブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
モギィ
「ギャーーーーーー!!!!」
パクリ
「ギャーーーーーー!!!!」
ナデナデ
「ギャーーーーーー!!!!」
ズブリ
「ギャーーーーーー!!!!」
めでたし、めでたし。
にほん下ネタむかしばなし ~タマたろう~ @dekai3
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