作家さんと編集くん2

渋谷かな

第1話 作家さんと編集くん

「いや~、短編だと何でもできるな。ワッハッハー!」

 ご満悦な作家さん。

「実弾も30話以上できましたね。アハッ!」

 作家さんがご機嫌だと嬉しい編集くん。

「全て短編賞にぶつけてやる! 1話ものばっかりだからな! ワッハッハー!」

「どんどん破滅的な性格になりますね。アハッ!」

「いいのだよ! 短編なのだから。短編賞のルール通りだ! ワッハッハー!」

「そうですね。僕たちは、ただの休憩と創作要因ですから。アハッ!」

 自己制定も思いのまま。

「アクセス数0の作品もあるし、カクヨム運営も全ての作品は読まない。その時点で大賞受賞作が決まっていると思われても仕方がない。」

 まあ、大人の事情よね。


「さあ、おにぎり・コロコロも終わったし、次はどんな物語を書こうか?」

「どうしましょう? でも短編って直ぐに終わっていいので楽ですよね。」

「その通り! 10万字なんて大嫌いだ!」

「よく言いますよ。短編を合わせて10万字になったら一冊の本が出ると計算しているくせに。」

「バレたか!?」

「先生の場合、悪ふざけはありますが、内容はちゃんと書いてますからね。」

「さすが編集くんだ。よく私の作品を読んでいる。」

「それほどでも。アハッ!」

 これが作家さんと編集くんの日常である。


「次はどんな新作を書きますか?」

「ゴー・チュウ・トラベルをいじって、ゴー・チュウ・デスとかどうだろう?」

「それならゴー・チュウ・ヘブンとか、ゴー・チュウ・女風呂の方がインパクトがありますよ。」

「その前にゴー・チュウ・○○というのが言いにくいな。」

「確かに小説向きじゃないですね。」

「使えねえ。ゴー・チュウ・○○。」

 こうして新作のアイデアは没になる。


「現代ドラマでも書きますか?」

「倍返しだ! 私失敗しないので! の日本語で短い話か? あれも、この印籠が目に入らぬのか! の水戸黄門のパクリで、もう飽きてるのよね。」

 これが日本人の本当。

「最近、テレビ局が無理押しして売り出す作品しか売れない。君の名とか、鬼滅の刃とか。原作が売れなくて、アニメ化、テレビで宣伝すると売れる。もう、この広告宣伝の流れしかヒット作が生まれない。」

「それってテレビの効果であって、作品の力なのかな?」

「良いというものもいるのだろうが、悪くても売れるテレビの力の勝利だ。みんなが見ているから。テレビで話題だから。ただ、それだけだ。」

「売り出してもらったら勝ちということですね。」

「まあ、それでも売れない作品が多すぎる。プロヂューサーや編集たちの目が節穴ってことだな。アニメなど作品化しても売れねえ作品、赤字の作品が多すぎる。」

「結論として、作品の良し悪しでなく、テレビの宣伝広告次第ということですね。」

「イエス。」

 情報分析とマーケティングは正確に。実に酷かった。


「現代の作品は設定替えのパクリかコピーばかり。これなら昔のウインダリアとかの方がちゃんと物語が、ストーリーがあった。今の子供たちは不幸だ。」

「うわべだけの若者ばかりが生まれるのは、それが原因ですかね。」

「イエス。」

 現代の若者の心配もする作家さん。

「現実逃避の空想の世界が薄っぺらいんじゃ、今の若い子供たちが可哀そうだ。昔はアニメでも漫画でも本物があった。」

「例えると、ドラゴンボールは原作はベジータを倒す所までか、フリーザを倒す所までで終わっていれば良かった。薄い延命作品にならなくて良かったのに。で、アニメはフリーザ倒すころには、ジャンプに近づきすぎて、1話30分のアニメが全く進まないという最悪の延命だった。今のアニメのワンピースがそうだ。漫画の原作も細かく描けないから飛ばし飛ばしで意味わからんしね。」

 悲劇的伝説あるよ。 


「ああ~何しよう? 批評? なんか最近、コンテストの受賞者がたくさん決まっていたけど。」

「武蔵野、ファミ通、スニーカーですね。」

「武蔵野はオープニングの式典に呼ばれるから変な人は呼べない大人の事情。ファミ通、スニーカーは編集が節穴か、不思議。とてもヒットするようなタイトルではないと思うんだが?」

「だから大賞にヒット作がないんですね。」

「タイトルはラノベ的ではあるよ。ただ、そこ止まりだ。どうせ編集と出版社の子飼いの作家を売り出すためだけのコンテストだったようだ。今までの大きなコンテストは全てそのようだったし、そこから売れた作品はない。敢えて言おう! 皆無だと!」

「カッコイイ! 先生!」

 この物語はフィクションである。ただの弱者の声である。

「キングダム書くか? 小島瑠璃子とイチャイチャできるぞ。」

「お金持ってると強いんですね。ただの三国志ベースで売れるんですから。やはり尊敬ではなく、お金ですよね。」

 とばっちりが小島に行ったところで止めておこう。


「でも、いいな。弱者の声か。久々に心に残るフレーズだ。」

「昔の作品ポイですね。」

「そうだな。現代のテレビ局や出版社は目先の利益しか見ないからな。みんな、アイドルものだの。毀滅なら毀滅ばっかりだの。大人として恥ずかしい限りだ。」

「見境なく女に襲い掛かる男って感じですね。」

「普通に暮らしていれば女なんて寄って来るものだろうに。」

「それは先生がカッコ良くて、お金持ちだからですよ。イーダ!」

「おまえは子供か?」

 編集くんも現代の若者であった。


「弱者の声を短編でか。少し創作意欲が湧いてきた。」

「アンパンマンみたいにしましょうよ。」

「私のイメージでは大岡越前か、遠山の金さんなんだけどな。今の若い子は時代劇でアメリカンヒーロー的な正義貫徹の物語を知らないから可哀そうだ。」

「スマホが友達ですからね。」

「昔はボールが友達だったな。」

「キャプテン翼ですね。」

「昔はアニメ化されれば1年間の放送があったから壮大なストーリーだったが、今は1クール三カ月の短期決戦。人気が出れば2が出るが、視聴率がなければおしまい。まったく厳しい世界だ。」

「後はスポンサー、テレビ局、出版社の力次第ですね。続編があるかないか。」

 真実は大人の事情だらけのアニメとマンガなどの芸術業界。


「弱者の声を聞く短編で、悲しいからの爽快な物語。短編だし現代ドラマでいいや。」

「できましたね。新作の概要。」

「可哀そうなのは弱者だ。短編なのに、とことん苦しんでもらわないといけない。つまらないことでも苦しんでもらわないといけない。」

 その時、アイデアの神が降臨される。

「短編で悪のヒーローものってないな。ジャイアンに、バイキンマンは負け役だからな。」

「分かりやすく例えると、悪魔のドラえもん、地獄のアンパンマン、阿鼻叫喚のケンシロウみたいな。」

「面白そうですね。」

「主人公を悪魔設定にすると、悪事こそが正義になるからな。」

「現代人は貧乏で荒んでいますから、弱い人間が悪魔と契約して悪いことをする。共感しまくりだろうな。」

「豊かな人間は一握りですから、日本国民の95パーセントは貧乏人ですからね。」

「いじめられっ子が悪魔と契約して、いじめっ子を倒す。実に面白い。」

「もちろんいじめっ子も悪魔と契約していますよね。先生や生徒会長は天使ですか? 神ですか?」

「正にデビルマン!」

 パクリスペクトルイージの元が見つかってしまった。

「校長先生も全てが神ではなく、一部の校長先生は女性とや保護者のお母さんに手を出しているので邪神ですな。教育委員会も同じことがいえるので邪神、金の亡者ですな。一部は。初等部のお母さんは30才前後で綺麗だからいいけど、高校受験だとお母さんも40から50代。汚いおばさんに手を出したいと思えない。一部を除いて。」

「大人って、子供に嫌われるのが分かる気がしますね。」

 納得できてしまうのが悲しい。


「タイトルは、デビルマンですか?」

「そのままじゃん!? せめて、俺の右腕には悪魔が宿っている! とか。」

「ラノベ的なタイトルですね。」

「目指せ! ハリウッド! There's a devil in everyone's heart(誰の心の中にも悪魔はいる)にしよう。」

「カッコイイ! さすが先生!」

「ということで、タイトルはイマドキ! みんなの悪魔!」

「みんなの悪魔。現代ッ子にも抵抗のないレベルの話ですね。」

「受け入れてもらわないといけないのよ。」

「でもデビルマンやウイングマンのパクリスペクトルイージのデスノートがウケる時代ですから、荒んでいる現代人には悪が正義の方が面白いかもしれませんね。」

「描き方が視点変えただけの二次創作作品ばかりだからな。」

「プロがそれですから、誰にも文句を言われる筋合いがありませんね。」

 その通り。


「主人公のダメダメ男はいじめられっ子。ある日悪魔を呼び出して契約する。悪魔の力を使ったダメダメ男の復讐が始まる。」

「完璧ですね。」

「これなら復讐を終えても悪魔の力で好き放題に物語を展開できる。」

「いや~相変わらず先生はアイデアの神が降臨すると強いですね。さすがです。」

「作家ですから。」

「こりゃあ、現代ファンタジーだな。」

「後は書いて創作していくだけですね。」

「がんばろう!」

「おお!」

 意外以上に創作に役立つ作家さんと編集くんであった。

 終わる。


 これ書いたのが10月19日か。

 現在12月5日。

 内容を読んだが邪念だな~。

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