夢日記①
“見渡せば真っ白な部屋の中。私は大きなふかふかのベッドに寝転んでいて、上を見上げると白いカーテンの隙間から日の光チラチラ映り眩しくてまた目を瞑った。いつの間にこんな綺麗なカーテンに替えたのだろう、と思わず首を捻るくらい夢とは思えないリアルな感覚だった。”
一番初めに書いた夢の話はこんな冒頭から始まっています。
ご覧の通り全くもって突飛なことはないごく平凡な夢です。しかし今でもこの夢の光景を思い出すと胸がキュッと苦しくなるのです。どうしても戻れない、過去に戻りたいと願うような…。とはいえ誰かにどうしても戻りたい過去があるかと聞かれれば間違いなく「今の生活の方がまだマシ」だと答えるでしょう。しかしこの夢に限っては、仕事も人間関係も全て捨ててまた浸りたい瞬間が時折ふと訪れるのです。それくらい私にとっては限りなく現実に近いところにある風景だったのです。
“部屋の中を歩いてみる。隅に大きなクローゼットがあり中を開けると色とりどりの小綺麗なワンピース、下には大きな引き出しがあり肌触りの良いツルツルとしたキャミソールやペチコートが収納されている。現代風のカジュアルなシャツやパンツはどこにも見当たらない。隣には小さな本棚があり分厚い本が何冊かあるが、よくわからない外国語がズラッと記されていてとても読む気にはなれない。天井は10メートルほどの高さだろうか。ベッドの隣には小さな丸机と椅子がありティーポットとカップも置かれている。
この夢の中での私は古い時代の西洋のお嬢様、という余りにもありきたりな設定らしかった。”
確かこの時は部屋の中を一通り見渡した後に目が覚め、忘れないうちにと思って自室の机の上に無造作に置かれていたルーズリーフをすぐ手に取り書き綴ったものだと記憶しています。
余程頭の中に残っていたのか、西洋のお嬢様になった私の夢の話は一年以上続くことになるのでした。
皆さま、どうかこのくだらない夢日記にもう少しだけお付き合いください。
夢日記 絹 @rebeccasas
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