誘拐されたと思ったらヤクザの娘が婚約者(仮)になっていた件
気候カナタ
第1話 虎穴に入る前に死んだら意味なし
さて、ただいま俺は絶体絶命のピンチに陥っていた。
隣を見れば腰まで伸びる黒髪のスーパー美少女。
切れ長の目に艶のある肌。
正直もうこれで十分。
お腹いっぱい。
だけどさ・・・・。
周りには黒いスーツを着た男ども。
グラサンかけてたり顔にすげぇ傷があったり。
もう、やばいよ。
俺の心臓がもたないよ。
極め付きは目の前に頬に十字の大きな傷の入った厳格そうな着物を着た男性が座っている。
なにこれ?
ドラマの撮影ですかと。
問いたいわけですよ。
さらにはそんな開いたこともないであろう口からこんな発言が繰り出される。
「
(断固として拒否する!!!!)
どうして俺はこんなことになったのか...。
それは今日の放課後にまでさかのぼる...。
俺は放課後ルンルン気分でいた。
それは初めて合コンとやらに誘われたからだ!
「お前顔だけはいいからさ、合コン来てくんない?」
親友に頼まれれば行くしかないだろう!
顔だけということには突っ込みたいがな!
こんなところで待っていられない。
そういうことでいつもより早めに下校しようとした時だ。
とある女子から声をかけられる。
今思えば怪しいってことぐらい分かっただろうに...。
「ねぇ、ちょっといいかしら?」
「えーと、
後ろを振り向くと学園一の美少女と名高い柳沢
柳沢さんは黒髪ストレートのスーパー美人。
でも、浮いた話はひとつも無い。
それはなぜか。
単純だ。
彼女の家は国内最大規模の暴力団だからだ。
誰がそんな特攻隊みたいなことをするのかと。
下手したら海外へ島流しさせられるかもしれないというのに。
虎穴に入らずんば虎子を得ずとは言うが穴に入る前に死んでしまったら元も子もない。
そういうこともあり、柳沢さんはいつも1人、教室の隅っこで本を読んでいた。
だからといって誰もいじめたりするわけができるはずもなく。
いじめたりなんかしたら渡米どころでは済まされない。
要するに高嶺の花みたいなポジションだったのだ。
「ちょっとついてきてくれるかしら?」
「えーと、ごめんね?今日、用事があってさ」
むり!ごめん!こわい!
あと、シンプルに大事な用事があるからついていけない!!
まぁ、恐怖9割なんだけどね!?
「そう。ほんとに着いてくる気はないのね?」
「ごごごごごめんね?ほんとすいません」
「そう。ならしょうがないわね」
ほっ・・・。
良かった。
聞き分けがいい人で助かった。
俺はこれから彼女探しの旅へいざゆかん!
と思っていた矢先のことだった。
「やっちゃって」
柳沢さんのその一言を引き金に黒いスーツを着た男たちが6人ほど出てきて俺を拘束しだす。高速だけにってね!
気がつけば俺は車の中に乗せられていた。
「はひはっへふんへふか!?ほへひゅうはひへふほ!?!?(なにやってるんですか!?これ誘拐ですよ!?!?)」
口にはガムテープがしっかりと付けられていた。
俺はこんなプレイ1度も望んだ事ないのに!!
ひどいよ!神様!
俺はメイド服着たお姉さんにへぶっ!!
隣に座る柳沢さんに頭をチョップされる。
「うるさい。少し静かにして」
「はひ。ふひはへん(はい。すいません)」
これ以上喋ったら殺される。
そう俺の本能が察知した。
ごめん。
俺、合コン行けなさそう・・・。
俺は親友の名を心の中で、口には出さずに呼んだ。
俺はガムテープを剥がされ、拘束を解かれ、車から降ろされた。
ここ30分ぐらいで俺の寿命が100年ほど縮んだ気がする・・・。
目の前には柳沢家かと思われる超巨大な屋敷。
これ家というより和風の城じゃん。
てか、城でしょもう。
どこの戦国武将だよ。
「ついてきて」
「あ、はいっ!」
柳沢さんに呼ばれ後をついて行く。
周りを見れば盆栽やらあの竹をカコーンとすることで有名なししおどし。
さらには鯉が沢山いる池が。
池?水槽?
庶民には規模がデカすぎて分からんわ。
そして屋敷に上がらせられ1つの障子の前に立っていた。
「今からこの部屋の中に入るけどへんなことしないでね」
「?変なこと?」
正直ここまでの一連の流れがもうすでに変なんだけどな!!
そして満を持して障子を開けるとそこには黒いスーツの男たち。
スキンヘッド、スポーツ刈り、坊主、ロン毛、スキンヘッド、スキンヘッド、スキンヘッド、スキンヘッド。
ハッ!あまりの衝撃に男どもの髪型を見てしまっていた。
てか、スキンヘッドの割合多くない?7割スキンヘッドってどういうこと?
ヤクザってやっぱスキンヘッド好きなん?
「おい。そこのお嬢様の連れの男。さっさと座れ」
「は、はいただいま!!」
なんか急にお叱りがあったと思って声の方を向けば
赤いスーツに身を包んだパッと見爽やかイケメンがいた。
そしてその横にはうん。多分。あれですね。ヤクザの頭領。つまり柳沢さんの父上らしき人が座っていた。
圧倒的プレッシャー!!
これがほんとの戦闘力53万ってか。
スーパーなんとか人でも苦戦するわな。
言われた通りに座る。
ちなみに柳沢さんの隣だ。
やべぇ、やべぇよ。
殺される。
沈黙が場を制すこと約5分。
だ、だれか喋って!?!?誰でもいいから!!
俺の背中を変な汗が滴り落ちる。
吐きそう!!お腹痛い!目がチカチカする!
だれか助けて!?!?
死ぬ直前だったとき。
そのマッチョゴリ...ゴホン。
頭領が口を開いた。
「単刀直入に言わせてもらおう。有明 来栖よ。私の娘、音々を貰ってくれないか?」
(断固として拒否する!!!!)
「え、えーと。どうして俺なんですか?」
当然の疑問だ。
な、なぜ俺?
たしかに学園では顔がいいからという理由でそこそこモテはするがヤクザと繋がった覚えはないよ!?
誰だよ!!ヤクザに俺の情報流したやつは!
「実はお前の父親と私が古い友人でな。やつの息子なら娘を任せられると思ったからだ」
まさかの犯人父さんかよ!?
古い友人かよ!?!?
テンプレかよ!?
な、なにか柳沢さんも言ってくれ!!
そう思って横を見ると
初心かよ!?!?
こっちはこっちで頬を赤く染めて、使い物にならなさそうだった。
「え、えーと。さすがにいきなり言われましても・・・」
「なんだ貴様。お嬢様のどこが気に入らないというのだ?」
赤スーツが威圧してくる。
いや、気に入る気に入らないじゃねぇだろ!
常識で物を語ったまでだよ!!
「まぁ、そういうな
赤スーツ名前太郎かよ!?!?
めちゃくちゃ派手な名前かと思ったわ!
キラキラネームかと思った俺の心を弄びやがって!
「分かった。高校卒業までに決めてくれれば構わない。といってもあと2年ほどか。2年に進級したばかりだからな」
「え、えーとそうすね」
「2年だ。2年期限をあげるからそれまでに結論を出してもらう。いい報告を待ってるぞ?」
そして俺は家の前まで車で送られた。
その時は拘束などはされていなかった。
ケータイを見るとすごい着信とlineがきていた。
『はぁー!?お前どういうことだよ!』
涼介からだった。
こちとら死にそうだったわ!
合コンどころじゃなかったわ!
(はぁー。俺の学校生活どうなんの?)
翌日から波乱が待ち受けてるとは知らずに家へと入った。
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試しに書いてみました笑
フォロー増えたら多分書きます笑
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