世界を救った俺の復讐譚
熾月鏡
第1譚 召喚
ここは天成期2000年、イグジス王国王宮召喚の間、「おお、勇者がこの地に舞い降りた!」「成功だ!」「これで我が国は安心だ...」俺の周りにはローブ姿の男女が何人も立っている。「何が起こったんだ...?」何も掴めず戸惑っている俺に恐らくこの中で一番偉いのであろう老人が話しかけてきた。「戸惑うことも無理はない、そなたは今世界に召喚されたのだ。我が国、いやこの世界は魔王軍の侵攻により壊滅寸前なのじゃ。」未だに状況が読めない俺を横目に話はどんどん進んでいく。「そなたには勇者として魔王討伐を依頼したい。」このじいさんは何を言っているんだ。そう思わずにはいられなかった。俺はさっきまで普通に授業を受けていたはずだった。突然、眩い光に包まれて気が付いたらここに立っている。俺はじいさんに確かめた。「俺が戦う義理はないはずだ。今すぐ元の世界に返してくれ。」当然だ、いきなり召喚されて魔王と戦え?バカも休み休み言って貰いたいものだ。苛立ちを隠せない俺にじいさんは信じられない、いや、信じたくない現実を突き付けてくる。「残念だが、そなたを元の世界に戻す手段は分かっておらぬ。魔王を倒せば何か掴めるかもしれんじゃがな。」俺は思いっきりじいさんをぶん殴ってやりたくなった、だが冷静にそれでも切れながらに言った。「なんだよそれ、なんで俺なんだよ」いざこういう状態になると意外にも冷静なんだな、俺が言い放つと「...」周りの者は全て下を向く。くそが、その時の俺はもう既に分かっていた。わかっていたが、受け止められなかった。自分が勇者であること。この後に待ち受ける壮絶な戦いを・・・
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