第11話君の全てを離したくない

君の帰りが遅くて心配で眠れなかった夜

窓から君がいつ帰ってくるか待っていた

朝日が昇る前の淡く儚い月が印象的だったあの夜


あの日を境に僕は君を束縛するようになったのかもしれない


そのせいで君は僕から離れて行ったのか……

それとも、すでに離れていたから朝帰りなんてしたのか……


今となっては確かめようもない


今夜の月はあの日の月によく似ている


「君の全てを離したくない」

もう、遅いね、君には届かない…でも嘘なんかじゃないよ

今更愛しいと叫ぶにはあまりにも遅すぎたかな

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