第2話私はまだ一人で生きていける

付き合って3年

ここの所彼の気持ちが他にあることに気付いていた

それでも彼から何も言ってこない

それに甘えて私からも何も言わない


はっきりと私に気持ちがないと気付いていた

それでも自ら傷つきたくなくて知らないふりを続けて付き合い続けていた


罰が当たったんだろう

現実を見ない私に


週末…貴方は仕事で忙しいと言っていたね

なのになぜこんなところに居るの?

隣の女の子は誰?

そんな笑顔久しく見ていない

そんな優しい顔…懐かしいなんて思ってしまった


終わっているんだと気づいてしまった

目の前が歪んで見えた…

涙の膜ができていることに気付いた


終わらせよう?


しっかりとこんなあいまいな関係終わらせようよ


貴方は優しいから別れ話なんて自分からできないんだろう

でも…


でもこんなあいまいな関係の方が私も…その隣の彼女にも失礼だと思わない?


ううん…そんな優しさは残酷だって気付いていないんだね


いいよ。


私から言ってあげる


翌日の仕事終わりに呼び出した


どうしようもなく泣きたい気分だったけど笑顔で最後の嘘をつく

それは自分が楽になるための嘘。

「私はまだ一人で生きていける」

昨日貴方の横に居たのは誰かに守ってもらわないと生きていけないような可愛らしい女の子…

この一言で気付いて

いっそ笑い飛ばしてよ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る