第9話 クリームシチュー

「は?何をどうやったらこれで失敗とかできるの?」


 くっ!読者諸兄からの嘲笑を含んだこんな台詞が聞こえてきそうだ。実際私自身も、まさかこのタイトルでこの作品を更新することになるとはつゆとも考えてはいなかった。


 だが、今の私はそれを甘んじて受けなくてはならない。なぜなら、それが私の失敗つみの結果なのだから……。




 いや、まあ、別にそこまで悲劇の主人公に没入している訳ではないのでご安心願いたい。


 さて、いつも通りのおバカな前振りはこのくらいにして、本題に入ろう。






 いきなりだが、皆は片栗粉の原料をご存知だろうか?餡などのとろみ付けに用いられるあれのことだ。


 わざわざこんな妙ちきりんな作品を覗きにくるくらいだから、多分それなりに料理関係の知識を持っているのでないかな。


 勿体ぶるほどのものではないので、さっさと答えを言ってしまうと『でんぷん』だ。




 ここまで書けば、おおよその事情を察した人もいるだろう。


 そう、失敗の原因はジャガイモの煮込み過ぎによる崩壊と、それに伴うとろみの増大だったのだ!


 それはもはや『とろみ』などという可愛らしいものではなく……。強いて言うならば『と゛ろ゛み゛』という様相を呈していたのだった……。

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