カオナシが荒廃世界でケモミミたちと一緒に暮らす話
シマシマ
第1話
乾いた空気、日差しが強い。僕は手のひらを上に向けて、見上げる太陽に透かす。
黄色い砂まみれの街の真ん中に僕はひとり倒れていた。
巻き上げられる砂が髪の毛に絡む、僕は今どこにいる。
僕の知っている世界はこんな世界ではなかった。ビルがあり、街があり、街頭があり人がいた。
僕は……飛ばされてきた……いや、どこから……!
目が痛い、ゴーグルが欲しい、いや日差しが暑い、早く日陰がほしい。水がほしい。
どこから飛ばされて来ようが自分がもうすぐ死ぬのかもしれないと思うとやってられない。
豆腐みたいな建物が並んでいる、段々と考えられなくなって来て……少し休憩しよう。
崩れそうな建物は避けるべき。
「ああ--!」
僕は叫んで豆腐の建物を蹴った。屋根の上に積もった砂が浮き上がってこぼれ落ちる、ヒビも入らない。
ここで少し休むことにした。
屋内で休み始めて30分経ったと思う、ギンという金属音に驚いて飛び起きた。寝ることはできなかった。
僕は内心この世界にいるのは僕だけだと思っていた。人が、何かが起こす音に違いない。
恐る恐る建物から出る、音はこっちだ。段々と大きくなる、風が変わる。
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