雑(拈)叢

 薄情にも寒々しいが、清浄でも催す。がたく身震いす。その湖畔、所詮さざめきであろう。

 この彩葉も無く史彩も啼く、残雪が溶けはじめ そのうちまた 根雪と覆う。時折楽音がくおんのように身に染み入る 声艶すら隠蔽す。

 脱落していく洛陽に口伝のまま赴く。

 雲の峰をめざして。黒雲や紫雲に星雲が混じり我は憶測とも邪推ともつかぬ旋律を、静謐に痩躯に委ね盲信す。

 悉く何も無い。是は屹度 只の栄枯でしかない。

 苔の少し除けた光にチラされ 尻もちを点く、蛾蟲のくせに。先程流した氷雨の痕で 妙にナナイロを帯びた翅を震わせていた。

 それだけで、捉えた、モノは、差し伸べても逃れることも厭わず 更には老弱に耽る。

 ときに勝手に弾ませる多幸感こそ 我侭にもこの手の中に納まろうかとの想い、その泡沫はおもむろに出逢った。

 逆行の魅せる軌跡を陳腐な反発で畏怖して。

 飛び石のあいだ 龍泉の尾が滑しを湛え、ときだけがせせらぎを垂らし魅せるとき。泳ぎ切れぬとみて、ささやかな段差すら歯がゆく遠く とても眩い。

 届かぬものである もうそこは 浅く広く開かれて、

 そして知を覗いた ワタシ が 底を見透かし やはり嗤う、姿が見えたものだった。

 所詮一歩も動けずに射た、頃愛を、

 懸念を拝した悠久として彼方アナタに案内を頂きたいのです。

 そこハかとなく流砂であった、ですが煮え切らない御日様だと、緑青に繁吹く動悸は沒む。嘗ての海水魚は を叱咤し、砂上に齎される足音と共に泣いてしまいたいのだ。

 自然ン奏して魅せたのだろうとくくる。どの面影も失くす、聖者に連れ添われて 輪廻した。

 そろそろ頃合を図り、こうして入滅する。その悲 素の斎に、一閃のいただきを. 希ム。一連の明答を愉快痛快と鋳たし快癒を施された醜名に安易な密約を交わそうと想う。

 これにて行先を楽観視しよう。

 愚論ばかりが責を討つ、不始末に嗤えれば最善であるなどと。我が身から溢れた豊穣を祈り、身を委ねて寝転んだ吾身。樹海の祖の海原に抱かれ はて, 飲み込まれる坩堝として.これにて瞑目と致す。







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