戯れ
いつものように布団の裾を弄り、小さなタグに触れ
薄くたじろぐ瞼が 明日を捉えている。
今、この世界を彩るものは 何もない、
悪夢ばかりが蔽いつくす 展翅のハミング
柔らかな胸を掻き乱す ふくよかな吐息が
私自身を轢き殺す 歯車は廻り続けると
時は零時を口づけたままで。
滑り出す白いドレープが 躍りながら、嗚咽を洩らして。
この世界はそうやって生きている。
簡略化された暗号を撒き散らし、
固定するシグナルは後始末を棚に上げた。
為すべきことは息を吸って吐くことぐらい、徒労もなく
鋲で刻まれた 視界は狭く 計り知れない
クレバスの文様でたじろぐ、
今を、脅かすものを、この羽を なして捨てられようか?
だが、失いたくないものがある。
未来を駆けるには楽なほうを奪い
この足では、其処は、もう、
視界は穢れなき朔に堕とされている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます