第2話:新生活
【サカイ】
私とマヤは無事、サカイに到着した。サカイは陸や海からの運搬されている珍しい品物があり活気に道溢れていた
【アーノルド・クラーク】
「やっとサカイに着いたわね。」
【マヤ・ユライザ】
「長い道のりでしたね。」
私たちは馬での移動はなるべく宿には泊まらず野宿をしながらサカイを目指していた。クラーク王国からの追っ手が来ると思って警戒していたが、追いかけてこなかったのが不幸中の幸いだった
【アーノルド・クラーク】
「まずは住民登録ね。」
【マヤ・ユライザ】
「そうですね。登録さえすればクラーク王国も手が出せませんからね。」
私とマヤは早速、市役所へ行き住民登録を済ませ、クラーク王国との関係を解消する書類も作成してもらい私たちは正式に自由都市「サカイ」の住人になった
【アーノルド・クラーク】
「よし、まずは風呂ね。」
【マヤ・ユライザ】
「野宿と水浴びばかりでやっと風呂に入れます!」
私たちは市役所の人から大浴場を案内してもらい旅の疲れを取った
【アーノルド・クラーク】
「ふう、いい湯だったわ。」
【マヤ・ユライザ】
「同感です!」
私たちは風呂に上がったあと、今後どうするか話し合った
【アーノルド・クラーク】
「私はサカイでカレーライス専門店を開くわ!」
【マヤ・ユライザ】
「カレーライス専門店ですか?」
【アーノルド・クラーク】
「えぇ、私は前世の職業で培ったカレー作りの知識と技量、そして自分の店を持つのが私の夢だったわ!」
前世の私はカレーライスが大好きで、いつか自分の店を持ちたいという夢があった。あったが飲酒運転の暴走車によって命を奪われてしまった
【マヤ・ユライザ】
「アーノルド様、是非、私もお手伝いさせてください!私、経理担当をしていました。算盤も得意です!アルバイトでファミリーレストランの接客もやりました。だから私を雇ってください!」
マヤは私に必死に自己アピールをした
私としては転生者仲間がいてくれたことは有難いことである
【アーノルド・クラーク】
「ありがとう。こちらこそ宜しくね。」
【マヤ・ユライザ】
「はい!」
【アーノルド・クラーク】
「あと、私はもう王子じゃないわ。だから敬語は必要ないわ。」
【マヤ・ユライザ】
「分かりました。」
【アーノルド・クラーク】
「ほら、言ったそばから。」
【マヤ・ユライザ】
「すいません。やはりすぐには抜けきれません。」
私たちは新天地での新しい生活に胸を踊らせていた
【アーノルド・クラーク】
「まずは新居探しね。」
【王宮サイド】
【リオン・クラーク】
「まだ見つからないのか。」
【側近】
「はい、国内くまなく探しましたが、アーノルド殿下とマヤ公爵令嬢の御姿を見かけません。」
【リオン・クラーク】
「くっ。」
【側近】
「やはり国外へ逃げたのではありませんか?」
【リオン・クラーク】
「国外だと?」
【側近】
「はい、国内にいないとなると国外へ逃亡しかありません。」
【リオン・クラーク】
「だったら国外からも探し出せ。」
【側近】
「恐れながら、他国へ逃亡した場合は我が国の干渉が通じません。仮に干渉したとあれば、国際問題に発展いたします!」
【リオン・クラーク】
「くっ!」
【側近】
「何卒ご自重のほどを。」
【リオンの部屋】
【リオン・クラーク】
「アリス、二人は他国へ逃亡した可能性がある。」
【アリス・ローリー】
「まあ、もし本当なら大変ですわね。」
【リオン・クラーク】
「何が大変なんだ?」
【アリス・ローリー】
「もしアーノルド殿下とマヤ嬢が他国に我が国の内情を話をしたらどうします。」
【リオン・クラーク】
「我が国の機密情報が洩れる!」
【アリス・ローリー】
「ええ、国内よりも他国を味方につけ謀反を画策しているのです!」
【リオン・クラーク】
「うむ、許せん!何としても見つけ出さなければ!」
そういうとリオン様は部屋を出て行った
【アリス・ローリー】
「うーん、二人が国外逃亡したということは、まさか転生者!」
もし二人が転生者だったら、謀反も断罪も起きず私はリオン殿下と結ばれない。しかもまだリオン殿下はマヤ嬢と婚約破棄していない、しかも国王陛下はまだ生きている。このままではマズイ、マズすぎる
私はリオン様の部屋で思案を繰り返していた
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