裏話その一

 少し前に昔書いたプロット(というかネタ帳)を発見しましたので記憶の底をさらいつつ、こちら、蟻の王国です! の裏話や没ネタなどをここに書いていきたいと思います。最初は紙に書いていました……懐かしい。


 当然ながらネタバレの宝庫なのでぜひ最後まで本編を読んでからご覧ください。




 没ネタその一




 蟻




 主人公勢力でもある蟻です。


 意外に思われるかもしれませんが、一番設定の変遷が激しい魔物です。


 まあ、設定がいまいち固まっていない時期から考えていたので当然かもしれません。


 当初の予定では蟻が成長と共に特殊な能力に目覚めていくという予定でした。


 例えば飛行したり、粘液を出したり、体が硬くなったり、という具合です。ちなみにこれは現実の蟻にも同じようなことが起こります。


 様々な魔物と協力する、という形で物語が進行していくという設定が定まったため、これらの設定は没になりました。


 ちなみに蟻を主人公にした理由はすぐに増え、なおかつ社会を築くのに適した動物だと思ったからです。






 没ネタその二




 犬オオカミ




 魔物転生ものでは割と定番の犬です。


 蟻が乗って騎兵のように扱うというネタはできていましたが、犬と言う生き物にいまいち有用な特徴を見いだせなかったので没に。


 犬の特徴と言えば嗅覚ですが、魔法にしづらく、他の特徴として社会性の高さですが、本作の主人公勢力である蟻以上の社会性というものがどうにもイメージできなかったもので……。


 結局騎兵の役割はラプトルに取られ、完全にお蔵入りに。




 没ネタその三




 テントウムシ




 比較的早めに登場が検討されていた魔物です。


 テントウムシと蟻と言えばアブラムシが思い浮かぶかもしれませんが、別に関係なく、テントウムシの足の張り付く力に着目し、摩擦を操る魔法を使う予定で、車輪などを駆使するつもりでしたが、歯車の機構を持つ生物の存在を知り、あれ? こっちのほうがよくない? という理由で没に。






 裏話 火薬




 異世界で科学知識を駆使して生き延びるという設定の作品で最も取り扱いに気をつけなければならないのは火薬です。


 あっさり入手出来てしまうとかなり楽ができてしまいますが、全く入手できないといまいち科学知識を活かせていないように感じさせてしまいます。


 入手できない状況設定はすぐに思いつきましたが、一方でその条件下でどうやって火薬を大量に入手するかというのが中盤の課題でした。


 いろいろな本やテレビなどを参考にしましたが、意外にも鉄腕〇ッシュを見ていてあるものが目に入りました。


 タヌキはため糞をする。


 以前の校外実習で実際にタヌキのトイレを見たことを思い出しました。


 ああ、そんなこともあったなーとのんきにしていたのですが、あれ? これって使えるんじゃね? そう思いつきました。


 いまさら説明するまでもありませんが、黒色火薬に必要な硝酸は生き物の糞から生成されます。なら、タヌキの糞からも硝酸が作れるんじゃ?


 個人的にこれは結構な転換点だったと思っています。


 最終的にはハーバーボッシュ法を改良することで硝酸を入手できるようになりますが、それまでのつなぎとしては十分でした。


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