第2話

 僕は海が好きです。それも海の上ではなくて、海の中の世界が大好きです。水中眼鏡を水面につけた瞬間から広がる、あの光景を見たときの感動は何度味わってもすばらしいものです。僕にとって、海の中というのは、一番身近にある別世界なのです。

ただ残念なことに、僕は水泳はあまり得意ではありません。せいぜい素潜りを楽しむ程度で、その別世界を十分堪能することはできません。ところが友人のKは、うらやましいことにスキューバダイビングを趣味にしていて、あちこち潜ってきては、その話を聞かせてくれます。そのときによって、おもしろいのから恐ろしいのまでさまざまですが、なかにはちょっと不思議な話もあります。

 昔から、海にまつわる不思議な話はたくさんありますが、これはKの身に起こった、不思議な話です。

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