第100話「踏み出す一歩と勇気の出るサプライズ?」
◇
「それで落ち込んでいるのか」
「ええ、私は聞こえなかったのですけど」
確かに聞こえたし勇者の耳はロバの耳じゃなくて、どこまでも聞こえるから嘘じゃないもん。俺は病室で最後に聞こえた言葉に動揺し引きずっていた。動揺し過ぎて帰り道にセリカに愚痴って、今それをセリカがエリ姉さんに話してしまったから相談に乗って貰っている最中だ。
「快利お前はどうしたい? 私達は虐待を受け最後は母さんまで自殺しそうになったから、あの男には怒りしか湧かない、でもお前は」
「うん、親父には色々有って見捨てられたけど、あの女に限っては分からないってのが本音なんだ……姉さん」
俺が母親のことについて聞かされたのは中一の時に一度だけで聞いたのは爺ちゃんからだ。それまでは何となく捨てられたと思ってたのに聞かされた内容は外に男を作ってさらに弟まで作っていたという話でショックがデカ過ぎた。
「そういえば爺ちゃんも何か忙しそうだったし……あの時に何してたんだろ?」
更にその時はユリ姉さんから嫌われてる全盛期でエリ姉さんの方は俺をブートキャンプして鍛えてる最中だ。まだルリとも会って無いからアイドル趣味も同士も居ない中での日々の楽しみがエリ姉さんのオッパイ見るくらいだった。
「快利、そんなに見たいなら今は自由だ、お姉ちゃん覚悟は決まってるぞ」
「エリ姉さん女捨てないで本当にお願いだから」
「そこで真面目に返されると私もハシゴ外されて困るのだが」
今はシリアスな話なんだから止めて欲しいと思いつつも俺の視線はエリ姉さんのオッパイに釘付けだ。だって小さい頃から見てたから……気まずくて視線をそのまま横にズラすとセリカと視線が合っていた。
「目は口程に物を言う、この世界にはいい言葉が有りますわね快利?」
「男のサガなので勘弁して下さい」
「さて、じゃあ仕切り直しだ快利、どうしたい?」
エリ姉さんに改めて問われると今日、俺は自ら関係を切って来たようなものだし今さら会いに行くのは違うと思う。それに『もう関わり合いにならなくて良かった』と向こうも言ってる以上、俺が自ら関わるのは間違いだ。
「人生なんてこんなもんか」
「悟っているな快利だが甘えるのも大事だぞ? この間、私は義父さんに服を買ってもらってな父親からのプレゼントなんて一生貰えないと思ってたから嬉しかった」
ユリ姉さんに聞いていたがエリ姉さんは本当に嬉しかったようだ。二人が前に進んでるのは嬉しいけど俺はこのままで良いのだろうか不安になる。あの女とセリカは普通に話せたと聞いたが、それは二人での場合だ。俺が病室に戻った時は表情は強張っていたし帰り際の一言を考えたら過去の話なんて無理だろう。
◇
そこで俺はため息を付いてユリ姉さんの買い置きのコーラを一気に飲んだ。改めて考えると向こうも今さら「何で僕を捨てたんですか?」なんて聞かれても困るだろう。それに余命幾許も無い人間に過去の罪を問うのも残酷だと思う。
「だから、このままで良いんだ」
「快利、お昼にあの子を助けようと決めた時には後悔しないと言っていたのに、このままじゃ中途半端ではないですか」
セリカの言う通りだが白状すると俺は怖いだけだ。拒絶されて諦めが付いていたのに弟と話す姿や直接話した時の母は普通だった。その姿のまま、これ以上深く関わらなければ、最後の姿があれなら傷付かずに済むのでは、このままフェードアウトすればヌルゲーライフに戻れるのではと思ってしまったのだ。
「だから期待なんてすべきじゃない」
「それは、でも――――「止めろセリカ、お前の気持ちも分かるが快利のことも考えてやるんだ、そして決めるのは快利だ」
「ですが、いえ、そうですわね……でも快利、あの子はどうしますの?」
あの子、つまり俺の弟のことだろう。母と関わらないようにするという事は必然、あの弟とも関わるのを止めた方がいいとの話だろう。
「大丈夫だろ、お金も有るから当分は生きていけるだろうし、何の問題も……」
だけど俺の頭に過ぎったのはイジメられていた弟の顔だった。いつものことで慣れていると言っていた。つまり今回が初めてじゃない……なら加護を与えて狩憮の身を守るの事も考えたがダメだ。俺の加護を与えた場合、スキルが暴発して相手を消滅させてしまう危険性も有る。
「今まで勇者スキルによる加護が出来ていたのは那結果が俺といたからだしな」
「今は難しいのか?」
エリ姉さんの質問に頷く。そもそも俺がオートでスキル管理出来ていたのは那結果つまり元ガイドが俺の寝ている間も管理していたからだ。だが今の那結果と昔のガイドには決定的な違いが有る。
「今は体が有るから、ですわね?」
セリカの言う通り那結果こと元ガイドは今は人間と同じ体を持っている。元々は魔法のお助け機能に過ぎなかった。だが俺と一緒に戦う度に進化し最終的に自我を持ちAIを凌駕するまでに成長した。
「だけど那結果も今は一緒に学校に行って一緒に生きて、そして眠ってる、だから自動制御が出来ないんだ」
「なら快利、お前が眠っている時はお前も含め皆が無防備になるんじゃないのか?」
「それは無いんだよエリ姉さん、確かに基本はそうだけど俺がスキルを分け与える時点である程度は対象者の任意に発動が出来るんだ」
俺が王国で王様、グレスタード王にされた無茶振りは国民全員を加護で守れだ。それを実行するために修行をしたのだが同時にある程度の制御を国民にも移した。だから貴族戦争時代に俺は敵となった貴族領の人間に攻撃するために一度加護を解いた事も有ったのだ。
「そしてルリが一度死んだのも、それが原因だ」
俺がこの世界に戻ってすぐの時は皆にバレずに加護を付けた。当然ながら加護付きを教えてないエリ姉さんは分子分解されそうになったし制限付きの加護に変える事態になった。しかし加護付きを教えなかった結果、別な問題を発生させ最悪な結果を生んだ……ルリが自殺してしまったのだ。
ルリは追い詰められて俺を巻き込まないために自殺を選択した。自死を選んだから加護対象者の任意で発動する俺のスキルはキャンセルされる。その結果が俺が消した世界だ。正確に言えば、ほぼ上書きして数日間を消した。
「つまり加護を得ていると自覚している必要が有るんだ」
「なるほど、だが快利、なぜ自殺防止にもなるものを外したんだ?」
「向こうじゃ必要だった、貴族の最後の尊厳を守るのが自死だからと王の命令で外してたんだ」
「絵梨花お姉様、向こうの貴族のために自死を選べるように、そして処刑対象の貴族や罪人を勇者が罰せるように……したのですわ」
そこでエリ姉さんは固まった。セリカの言葉の裏の意味を理解したのだろう。俺は向こうで正義の味方だったが正義に力は付き物だ。俺が仕えた国王は理不尽を嫌い悪を嫌悪した。あの戦争以降、貴族だろうが罪人だろうが国民を害する者を罰する役目を俺に依頼したんだ。
「今思えば何で王は、あそこまで信用したんだろ」
「殿下、いえ慧花さんの推薦だったからではなくて?」
「ああ、でもあれって結局はエリ姉さんのお陰だよね」
「私のお陰……だと?」
最近、暇な時はユリ姉さんにラノベを借りてチート主人公を簡単に分析してみたのだが異世界転移した俺はそれに近かった。無駄に成長が速いという現象がそれに当たると思う。俺が向こうで重宝され信頼されたのも大部分はそれが原因だ。
「うん、エリ姉さんに虐待もとい稽古付けてもらってたでしょ?」
「あの件は本当に反省している、まさか……あの男に虐待を受けておきながら自分で加減が分からず弟に体罰をしていたなんて」
「ほんとだよ、次から気を付けて……あとドサクサに紛れて抱き着かないで柔らかいから、それで話を戻すんだけどあの世界は――――」
あの世界は突然現れた魔族に襲撃された。それが俺が転移する数十年前で、それまでは魔獣つまりモンスターが居るだけの普通のファンタジーな世界だったらしい。
大国同士の争いも終わり半世紀が過ぎ中小の国が、緩やかに大国に吸収され世界は平和を謳歌していた。そんな時に魔族が現れ世界は再び混乱し七つも有った大国が三つにまで減り追い詰められた時に俺が召喚された。
「戦争真っただ中なのは理解したが、それと私の特訓の関係が有るのか?」
「答えを言うと俺みたいな健康で日本の高等教育を受けたような人材が居なかったんだよ異世界、それと武術の嗜みもね、居ても少数だった」
だから俺は平凡な男子高校生だけど姉さんの特訓ブーストが乗って平均より上の高校生として異世界に呼び出された。向こうの世界は教育レベルも武術レベルも正直かなり低かった。
勘違いする人間も多いが戦争しているなら兵士も強いと思うかもしれないが実は違った。才の有る人間は確かに強かったが凡人には生き残るのが厳しい世界で子供や老人も容赦なく切り捨てられるような世界だった。
「昔、快利に言われた事が今なら分かりますわ、こちらの教育は貴族の侯爵家以上の後継ぎが学べるものから帝王学や政治学を抜いたものなのですから」
「いきなり異世界に跳ばされた俺だったけど、チート能力の塊だったのは姉さんの教育のお陰でも有るんだよ」
普通の高校生でも跳ばされたら割と活躍できるような世界に学問と武術一般を仕込まれ向こうの世界のスキルの認定で能力まで底上げされた俺なら数ヵ月の訓練で現地人を軽々と越えてしまったのだ。俺が勇者として活躍出来た理由がこれだった。
「しかし私の教えも有るかもしれないが快利の努力も大きいのでは?」
「そりゃ必死だったよ、向こうじゃ孤立無援だったしイジメも有ったから……だから弟のイジメは止めたいんだよね」
「そこに戻るか……う~ん」
そこで最初の話題に戻ると場は沈黙した。今は異世界のことよりも現実の弟のことだ。弟は救いたいが俺が関わっていいかは未だに判断出来ない。チートでも解決出来ない家庭の事情をヌルゲーにする方法って有るのかなと思っている間に時間は無情にも過ぎて行った。
◇
「あ、快利この間貸してた本ってまだ読んでる途中?」
「ううん、大体読み終わったから返そっか?」
明くる日の朝ユリ姉さんとそんな話をしていたから借りていた本を返そうと、その日の夜に部屋に行くと少し話が有るからと誘われて部屋でラノベ品評会になった。
「あ、コーラ出してくれたのねサンキュ、最近はフラッシュが持って来てくれる事が多いから忘れるのよね」
「すっかりドラゴン使いだねユリ姉さんも」
満更でも無い顔をして笑うユリ姉さんがグラスにコーラを注いでくれて一口飲むと早速ラノベの品評会だ。最近は週二で夜に二人で話したりゲームもしたりと姉弟の時間を過ごしている。
「やっぱりスマホは持ち込んでも使えないのね」
「電池とか充電しようとしたけど雷魔法とかで吹き飛ばしそうになって、最後は魔王と戦った時に無くしちゃってさ」
「ふむふむ、異世界にスマホ持って行っても無駄なのね、言葉が通じるのは意外だったわ、あと気になるのは……」
ポリポリとポテチを食べながら姉さんと異世界トークをすると意外と当たっている話も有って驚く俺に「ラノベ舐めるな」と言うユリ姉さんのゆる~い話が続く。
「俺もラノベ読んでから異世界行けば良かったかも」
「そういえば快利って寝てる間に召喚されたのよね?」
「うん、部屋のベッドと床の物と一緒にね」
どうせなら部屋のもの全部持って行けてたらと思ったけど王国に全て接収されるだけかと気付く。あの時もスマホだけは死守した。ちなみに俺の今のスマホは時間軸的に魔王に壊される前のものだから壊れる前のスマホと同じものだ。
「それって瑠理香の歌が入ってたからでしょ?」
「うっ、まあ、それも有ったんだけど……」
「何か他にも有るの?」
「一応は写真とか……ね」
そう、一応は高校はボッチでも中学の時に買い与えられたスマホの中にはそれなりに思い出の写真は有った。
「どうせ瑠理香の写真とかでしょ二人で家に来てた時も有ったしさ、ちょっと見せなさいよ~」
そう言って充電中のスマホを開かれてしまった。ロックがなぜか解除されてて部屋にドラゴンの気配を感じたから、たぶんアイツだろう。
「ユリ姉さん、いや、それは」
「二人の中学時代の秘密を……ってこれ」
スマホを見ていた中でユリ姉さんのスワイプする指は止まっていた。その顔は驚いた表情で俺を見ていた。
「これって、私の……」
「うん、中学の入学式のやつ」
ユリ姉さんと関係が悪化する前の最後の写真だ。これから先の写真は撮らせてもらってないから、これしか家族の写真は無くて最後まで俺は消せなかった。
「快利、この写真……取ってたの?」
「だって姉さん達と三人で撮った写真これしか無かったから」
「そっか、本当に私は……何で弟よりも他人の言葉を……ほんと、自分が情けない」
せっかくの楽しい時間が台無しになる前に俺は咄嗟に話題を変えた。最近俺が学んだのは時にはスルーや気付かない振りも大事だということ。勇者になってからは力任せで何でも首を突っ込んで最後は取り返しのつかない事態を引き起こす事も多々あったから反省はしている。
「……えっと、これとか他の写真も母さんのガラケーから移動させたってエリ姉さんに貰った写真でさ」
姉さん達の小さい頃の写真は少ないらしいが母さんが頑張って撮りためてバックアップを会社のパソコンなどにコッソリ隠していたそうだ。
「てか勝手に会社のPC使っていいのかな?」
「その話この間、聞いたけど後で義父さんに叱られたって喜んでたよ……母さん」
「あはは、そっか……」
ユリ姉さんが呆れた顔して苦笑しながら話してくれて安心した。だが今の話題で、また自分の生みの母のことを思い出す。不遇な弟の立場を改善したいが関わると問題を起こすかもしれないし何より再び生みの母と関わるのは怖い。
「快利、昨日帰りが遅かったのはバイトじゃないわね?」
「え、あ……うん」
「実は話したいことが有って今日はケイと瑠理香の三人で会ってたの……そこで相談されて悪いと思ったけど聞いたわ、昨日、絵梨花たちと話してたのもそれ?」
観念して俺は一連の出来事について白状した。何だか最近は周りの人に頼りっぱなしだ。でも不思議と嫌じゃなくて姉に何か相談するのがなんか姉弟っぽくて少しだけ嬉しかった。
◇
「なるほど……それで絵梨花に相談か、あの子の答えが曖昧なのは当然よ、だってあの子は快利に選択させるのが基本スタンスだし」
「そうなの?」
エリ姉さんはどちらかというと最近までは父親的に俺を鍛えていた節が有ったからユリ姉さんの言葉には疑問が有った。だけど次の言葉で一気にその疑問は氷解する。
「あの子は昔から語気を強めることは有っても最後は必ず相手に選択権を委ねてたから、快利には特にそうだった」
「そういえば、でも稽古の後にグチグチ言われるのが嫌で半強制的にやるって言ってたんだけど、それは……」
「そこがあの子の悪いとこ、本当に嫌ならハッキリと言う筈だってね、正面切って絵梨花みたいな完璧女に文句言える奴が居ないって自覚が無いのよ」
確かにエリ姉さんは学校では完璧だった。最近は俺と校内で話す事が増えてブラコン疑惑が出ているらしいがIT部は滅んだので悪意の有るデマは増えず逆に周りには親しみやすくなったという噂の方が増えた。
「何でも自分基準だからねエリ姉さんて『これくらい余裕だろ』って考えだから俺も途中から話聞かないで頷いてたのも悪かったんだろうけど」
「優秀な妹持つと苦労すんの、それに付いて行ける努力家の弟を見るのもね、姉の威厳なんて欠片も無いしさ」
「でも俺さ、最近は楽しいし嬉しいんだ姉さん達と仲良くなれたしさ」
「私もよ……弟と遊んだり話したり本当に楽しい、でも快利はこのままで良いの?」
その発言に「え?」とユリ姉さんを見るといつもとは違って凄く優しくて目だけは真剣で俺は驚いた。
「それだけって……お、俺は、ユリ姉さんの事、その……」
「あれ~? あんたの弟の事がこのままでいいのって意味なんだけどな~? もしかして快利くんは何か別なこと考えたのかな~?」
ず、ずるい……今のは勘違いするしか選択肢無いじゃないか。俺は絶対に悪くないぞと顔が真っ赤になっていた。だって目の前の人は性格悪くても初恋の人なんだ。
「べ、別に、俺だって……真剣に弟のこと考えてたし、すっごい悩んでたしさ」
思わず顔を背けて不貞腐れる。俺のドキドキを返せと思う一方で弟のために相談に乗ってもらってたのも事実だし遅れて来た思春期の元勇者には色々と辛いんです。
「ほら、拗ねないの快利こっち向いて」
「別に拗ねてないしっ――――んんっ!?」
近付いて来たユリ姉さんの気配に顔を上げた時には目の前に目をつぶったユリ姉さんの顔がいっぱいに広がっていて俺はユリ姉さんに唇を奪われていた。
「ふっ、んっ……」
呼吸が止まった。実は人生で二度目のキスだけど完全に思考が停止した。だって触れるだけじゃない、少し舌が入って来て……なんか慧花の時もこんな感じだったような気がする。だけど、これっていけないんだよね? 他の女の子と比べるのとかダメとかネットで見た。ここまで刹那の瞬間に俺は早口で脳内解説してま~す。
「んっ……ふぅ、さすがに、照れる……わね?」
「っ、ね、姉さん、何で? こんな、えっと……」
いきなりの不意打ちのキスでどうしていいか分からない。なまじ慧花の時と違って予想外過ぎて何と言っていいかも分からない。本当に困惑した。
「それで感想は?」
「は? い、いや……そのコーラっぽくて、甘かった……です、はい」
「もう、何それ……こっちは初めてなんだから気の利いたこと言いなさいよ」
「お、俺は……」(二回目とか言えないんですけど)
完全に追い詰められた俺にユリ姉さんも顔を赤くしながら真剣な顔からいつものイタズラっぽい顔で笑みを浮かべて言った。
「いつもみたいに余裕ぶっこいてヌルゲーヌルゲー言ってた私の弟はどこ行ったの? いい加減グチグチ言ってないで勇気の一つも出して弟の一人や二人、さっさと助けて来なさい快利!!」
「は、はい……」
取り合えず方針は決まった。いや決まってしまった。お姉ちゃんにキスされて俺はあっさり自分の意見を覆していた。
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