⑥➌

はやおし


・クリア条件


アラームが鳴ったらスイッチを押せ。


・準備段階


六年。

競技会場に他の参加者共々同時に召喚され、唯一そこにあるスイッチから途絶えることなくルールの説明を聞かされ続ける。

競技開始と同時に説明は途絶え、以後アラームが鳴るまで一切の音を立てない。


・競技会場


何もない真っ白な空間。

どこまでも地平線が続き、地面は破壊不能、空はぼんやりと明るく、影ができにくい。

風も音もなく、あるのはスイッチだけ。

スイッチはティッシュ箱ほどの黄色い箱に液晶画面があり、やたらと桁数の多い時計となっている。丈夫には、丸い赤いボタンが乗っている。プラスチック製、重さもティッシュ箱程度。

時計は準備段階のカウントダウンが終わると次にアラームが鳴るまでの時間、六千六百六十年と六カ月のカウントダウンに移る。

他に何もないが、この空間そのものに細工が施されており、一切のダメージが瞬時に回復する。

それは単純な傷だけでなく、空腹や睡眠、呼吸に寿命といった一切の減少が無くなる。例え腕を千切ったとしてもまるで時間が巻き戻るかのように再生してしまう。これはスイッチや持ち込んだ装備にも適応される。

ただし精神面でのダメージは適応されない。


・ルール


ルールは三つ。

一つ、アラームが鳴ったら一時間以内で最初にスイッチを押したらクリア。

二つ、それ以外でスイッチを押したら失格。

三つ、一時間以内に押せなくても失格。

以上が繰り返される。


・裏ルール


ダメージが再生してしまう為、殺し合いは無意味。ただし再生に時間がかかるようにミンチにするのは効果的ではある。

失格になった場合、その参加者と持ち込んだ一切は瞬時に消える。

押す判定がかなりがばがばで、スイッチを押し付けた場合、持っている方ではなく、赤いボタンに触れてる方が押した扱いになる。なので投げつけて相手を失敗させるのが唯一確実な妨害行為。

ここでの記憶を持ち帰るかはチーム担当の神の采配によるが、たいていの場合はより分けるのが面倒なので全部消される。

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