③➏

おかいもの


・クリア条件


指定されたアイテム五つを買え。


・準備段階


最短で一分。

レプリカのアメリカ、どこかの独身者用のアパートの一室、会場に直接召喚される。

目の前に黒い大きな球体があるが、機械ではなく、黒曜石を拳足で削り取っただけのただの石。

それ以外には最低限の電化製品に冷めたピザ、拳銃にラジオ、それとルールとリストの書かれた紙と、『ブラックカード』と専用のペンが置かれている。

ブラックカードには名前と数字によるパスコード、アルファベットによるパスワードを書く欄があり、これを記入して初めて準備が終了となる。


・競技会場


レプリカのアメリカ合衆国、時期は年末商戦の真っただ中で、お得商品を求めて暴動が起こっている。

コロナの影響の出てない世界線らしく、マスクの需要は無い。

魔法、チート、サイバーテクノロジーも現代に準じていることになっているが、アメリカの裏は広いので、それ相応の対応をしてくる。


・ルール


アイテムをカードを用いて買えばいい。

渡されたブラックカードは上限無制限、いくらでも何でもでもなんにでも使えるチートカードで、これ一枚でお金の心配はない。使用するには店舗の場合はこのカードの提示とパスコードが、ネットショッピングの場合は記入した名前とパスワードが必要となる。

リストに書かれているアイテムは全部で九つ、順に難易度が変わり『大量に必要なもの』『買うのに資格が必要なもの』『数が少ないもの』『どこで打っているかわからないもの』『そもそも売り買いされてないもの』さらに一番最後は『相手の部屋にある黒曜石の球体』とある。このうちの五つを先に買った方が勝ち。内容は毎回ランダム。

『手に入れる』ではなく『買う』ことが条件なので強奪や窃盗などではクリアできない。また買ったかどうかはカードを通して判定されるため、現金等では無効。

カードは犯罪に用いられたと判断された場合は即刻停止される。

期限は定められてないが、経済崩壊などでカードが使用不可能になった場合、強制的に終了となる。


・裏ルール


カードの存在は初めは誰も知らないが、使えば使うほどその名は広がっていく。

何でも買えるため、存在自体が経済崩壊を引き起こす厄災でしかない。なのであらゆる政府機関は存在を確証した瞬間から、カードとその所持者を抹消しようと暗躍しており、敵が増える。

金で買えるのは物品だけではなく、労働力も買えるため、いかにして人を使うかの勝負でもある。

当然ながらこの競技で入手したあらゆるアイテムは持ち帰ることができず、体験したことも直属の神の意志により持って帰られるかどうかが決まるため、一夜の夢に過ぎない。

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