くちなしは雨に濡れた

つづり

愚か者の参列/騙す男の目

弱くありたい

弱く人にすがりたい

そんな願望が消えない日はないのだ

弱いとはかくも悪なのか


空々しい救いの手をながめながら

救いの手からばらばらと落ちていく人をみる


昔人を騙す人が言った

騙される人は優しくて馬鹿だ

真面目で馬鹿だ


いつか自分がすくわれると

信じてる

愚か者の参列だ


鳴けぬよだかはだれを救えよう

夜空に昇り星になれぬ

ただ地面で、泥をなめている


弱くありたい

あれたら、私は救いの手にのり

ひとときの夢や希望に

心を癒やされるのか


わかってはいるのだ

そんなことに意味はないと

けれど人生に意味がないとするならば

なにもならない無意味なことに


ただ堕ちて逝くのも

一興かもしれない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー人を騙す男がいて、男は身内の子供に言ったのでした。

さっき話してたひと、優しそうだなぁと言ったよな

でも頭がまわらなそうとも言ったな

俺もそう思う

男は確信に満ちたように笑いました。

子供は大人になってよくよく考えてみたことがあります。

男はどうして笑ったのでしょう

子供に自分がもつ目を引き継いでると確信したのでしょうか。

人の心がなんとなく分かってしまう

心の隙が見えてしまう

そんな目を


救われると信じる者の参列を

子供はこらえて眺めています

誰もを救おうとする救世主は

詐欺師だと声を上げたところで

嘘つきと糾弾されるのは自分なのですから

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